経営力向上計画制度を徹底解説|認定メリットと活用法

 経営力向上計画制度は中小企業の生産性向上を支援する国の認定制度です。認定を受けることで税制優遇や金融支援など手厚いサポートを受けられますが、制度内容が複雑で活用できていない企業も少なくありません。本記事では制度の基本から対象者、具体的な支援措置、申請プロセスまで分かりやすく解説します。

この記事の監修

中小企業診断士 関野 靖也

大学卒業後、大手IT企業にて、システムエンジニアとして勤務。株式会社ウブントゥ創業後は補助金申請支援実績300件以上、経営力向上計画や事業継続力向上計画など様々な公的支援施策の活用支援。

中小企業庁 認定経営革新等支援機関
中小企業庁 情報処理支援機関
中小企業庁 M&A支援機関
一般社団法人 東京都中小企業診断士協会
経済産業大臣登録 中小企業診断士

経営力向上計画制度の基本概要

 経営力向上計画制度は中小企業等経営強化法に基づいて設計された認定制度であり、企業の持続的な成長を促進することを目的としています。人材育成や設備投資などの取組を計画化し国の認定を受けることで様々な支援を受けられます。

制度の目的と背景

経営力向上計画制度は平成28年7月に施行された中小企業等経営強化法に基づき創設されました。日本経済の成長を実現するため、中小企業の経営力強化を国全体で支援する仕組みとして設計されています。

 

制度設計の背景には、多くの中小企業が明確な経営計画を持たず日々の業務に追われているという現状があります。自社の課題や外部環境の変化を分析し、具体的な対応策を盛り込んだ計画を立案することで、経営力が着実に向上するという考え方が根底にあります。

 

既存の経営革新計画と比較すると、新規性の要件がなく申請手続きも簡略化されており、より多くの企業が活用しやすい設計になっています。計画期間は3年から5年で設定し、労働生産性などの経営指標を向上させる内容であれば認定を受けられます。

中小企業等経営強化法との関係

経営力向上計画制度は中小企業等経営強化法という法律に基づいて運用されています。この法律は中小企業の経営力向上を総合的に支援するための法的根拠となるものです。

 

法律では経営力向上の定義として、事業者が事業活動に有用な知識や技能を有する従業員の育成、財務内容の分析の結果の活用、事業活動に利用される設備の改善などの取組により、その経営を向上させることを掲げています。

 

事業分野ごとに主務大臣が事業分野別指針を策定しており、この指針に沿って各企業が計画を作成する仕組みとなっています。指針が策定されていない事業分野については基本方針に基づいて計画を策定します。法律に基づく認定制度のため、認定を受けた企業には法的な支援措置も適用される点が大きな特徴です。

制度の対象となる事業者

経営力向上計画制度は幅広い事業者が対象となる制度ですが、受けたい支援措置によって要件が異なります。自社が対象になるかを正確に把握することが制度活用の第一歩です。

対象事業者の規模要件

経営力向上計画の認定を受けられる特定事業者等の基本的な範囲は、従業員数2000人以下の企業となります。中小企業者や小規模事業者だけでなく中堅企業も対象に含まれる点が特徴です。

 

ただし受けたい支援措置によって対象となる規模要件は異なります。税制措置を利用する場合は資本金1億円以下の法人や従業員1000人以下の個人事業主といった要件が設定されています。

 

金融支援を受ける場合も、業種ごとに資本金額や従業員数の上限が定められています。例えば製造業であれば資本金3億円以下または従業員300人以下、卸売業であれば資本金1億円以下または従業員100人以下といった基準があります。自社が希望する支援措置の対象要件を事前に確認することが重要です。

活用できる業種と分野

経営力向上計画制度は業種を問わず幅広い分野で活用できる制度設計となっています。製造業や建設業だけでなく、サービス業や小売業、医療・介護分野など多様な業種が対象です。

 

実際の認定実績を見ると製造業と建設業が多数を占めていますが、情報通信業や医療・介護分野などでも着実に活用が進んでいます。企業組合や協業組合、事業協同組合なども認定対象に含まれます。

 

事業分野ごとに事業分野別指針が策定されており、自社の事業が属する分野の指針を確認することから始めます。日本標準産業分類で該当する事業分野を特定し、その分野に対応する指針に沿って計画を策定します。指針が策定されていない事業分野でも基本方針に基づいて計画を作成できるため、実質的にはほぼすべての業種で制度活用が可能です。

認定によって受けられる支援措置

経営力向上計画の認定を受けると税制措置・金融支援・法的支援という3つの支援が利用できます。特に税制優遇は即時償却や税額控除など大きな節税効果が期待できる内容です。

税制優遇措置の詳細

認定計画に基づき取得した設備については中小企業経営強化税制による税制優遇を受けられます。即時償却または税額控除のいずれかを選択でき、企業の財務状況に応じた選択が可能です。

 

即時償却を選択した場合、設備取得価額の全額を取得年度の経費として計上できます。大規模な設備投資を行った年度の税負担を大幅に軽減できる効果があります。税額控除を選択した場合は取得価額の7%または10%を法人税額から直接控除できます。

 

対象設備には類型があり、A類型は生産性が旧モデル比で年平均1%以上向上する生産性向上設備、B類型は投資利益率5%以上の収益力強化設備、D類型は修正ROAなどが基準を満たす経営資源集約化設備、E類型は経営規模拡大設備などがあります。各類型で必要な証明書や確認書が異なるため注意が必要です。

金融支援と法的支援

税制措置以外にも金融支援と法的支援という重要な支援制度が用意されています。

 

金融支援では日本政策金融公庫による低利融資制度を利用できます。通常の融資よりも有利な金利で資金調達が可能になります。また民間金融機関からの融資に対しては信用保証協会による信用保証の枠が拡大され、債務保証も受けられます。中小企業基盤整備機構による債務保証制度も活用できるため、計画実行に必要な資金調達がスムーズになります。

 

法的支援としては業法上の許認可承継の特例があり、M&Aや事業承継の際に許認可を承継できます。組合の発起人数に関する特例により通常より少ない人数で組合設立が可能になります。事業譲渡の際の免責的債務引受に関する特例も設けられており、事業承継をスムーズに進められます。不動産取得税の軽減措置もあり、事業承継に伴う不動産取得の際のコスト削減につながります。

計画認定までの申請プロセス

 経営力向上計画の認定を受けるには適切な計画書作成と申請手続きが必要です。電子申請と紙申請の選択肢があり、申請から認定までの期間を理解してスケジュールを立てることが重要です。

計画書の作成方法

計画書は中小企業庁が提供する手引きを参照しながら作成します。記載すべき主な項目は企業概要・現状認識・経営力向上の目標と指標・経営力向上の内容・資金調達計画などです。

 

企業概要では事業者名や所在地、事業分野を記入します。現状認識では自社の経営課題や外部環境の分析結果を記載します。経営力向上の目標では労働生産性や売上高経常利益率などの経営指標を選択し、計画期間内の目標値を設定します。計画期間は3年以上5年以内とし、選択した指標について事業分野別指針で定められた伸び率以上の向上を目指します。

 

経営力向上の内容は最も重要な項目で、人材育成・コスト管理・設備投資などの具体的取組を記載します。認定経営革新等支援機関である商工会議所や税理士、地域金融機関などのサポートを受けながら作成することも可能です。設備投資を伴う場合は事前に工業会証明書や経済産業局の確認書を取得する必要があります。

申請から認定までの流れ

計画書が完成したら事業分野に応じた主務大臣に申請します。経営力向上計画申請プラットフォームによる電子申請と紙での郵送申請が選択できます。

 

電子申請はGビズIDプライムアカウントが必要ですが、経済産業部局宛のみの申請であれば認定までの標準処理期間が約14日と短縮されます。エラーチェックや自動計算などのサポート機能も活用できます。紙申請の場合は中小企業庁ホームページから様式をダウンロードし、事業分野に応じた提出先に郵送します。

 

所管省庁が単一の場合で約30日、複数省庁にまたがる場合で約45日が標準処理期間です。申請書に不備があると照会や差戻しが発生し期間が長期化するため、記載例を参考に丁寧に作成することが大切です。設備投資で税制優遇を受ける場合、設備を事業の用に供した事業年度内に認定を受ける必要があるため、逆算したスケジュール管理が必須となります。

まとめ

 経営力向上計画制度は中小企業等経営強化法に基づく認定制度として、税制優遇・金融支援・法的支援という3つの支援措置を提供しています。従業員2000人以下の幅広い事業者が対象となり、業種を問わず活用できる制度設計です。

 

認定を受けるには事業分野別指針に沿った計画書を作成し、主務大臣に申請する必要があります。設備投資を伴う場合は即時償却や税額控除などの大きな節税効果が期待でき、計画実行のための資金調達も円滑になります。電子申請なら最短14日で認定されるため、自社の経営力強化に向けて積極的な制度活用を検討する価値があります。

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