経営力向上計画で高める経営力とは|5つの要素と実践的向上方法

 経営力向上計画を策定する際、最も重要なのが「経営力」の正しい理解です。経営力とは何を指すのか、どのように測定し向上させるのか。本記事では、経営力の定義から具体的な向上方法、経営力向上計画における指標設定まで、企業経営に必要な経営力のすべてを詳しく解説します。

この記事の監修

中小企業診断士 関野 靖也

大学卒業後、大手IT企業にて、システムエンジニアとして勤務。株式会社ウブントゥ創業後は補助金申請支援実績300件以上、経営力向上計画や事業継続力向上計画など様々な公的支援施策の活用支援。

中小企業庁 認定経営革新等支援機関
中小企業庁 情報処理支援機関
中小企業庁 M&A支援機関
一般社団法人 東京都中小企業診断士協会
経済産業大臣登録 中小企業診断士

経営力とは何か

経営力は企業の成長と存続を左右する重要な能力です。その本質を理解することが、効果的な経営力向上計画の第一歩となります。

経営力の基本的な定義

経営力とは、会社の業績を上げ成長させていくために求められる経営者の能力のことです。会社経営をしていくために必要な力の総称といえます。組織を束ねて事業を回し、倒産しないために常に会社の状況を把握し適切な資金繰りを行う、これらができる能力が経営力です。

 

経営力には特定の定義や見解は存在しません。会社経営をしていく力は多岐にわたるためです。ただし一般的には、会社経営には特に重要とされる5つの能力があり、これらを総称して経営力と呼ぶケースが多くなっています。

 

経営者が経営力を身に付けることで、会社の業績が向上し成長していく可能性が高くなります。また中小企業庁に経営力向上計画を提出して認定されることで、税制優遇や金融支援など様々なメリットを享受することが可能になります。

 

現代の企業経営では、目まぐるしく変化する環境に対応しながら、新しいニーズに応え時代に合わせた改善を続けることが求められます。会社経営を存続させる鍵は、まさにこの経営力にあるのです。

経営力向上計画における経営力の位置づけ

経営力向上計画は、人材育成やコスト管理等のマネジメントの向上、設備投資など、自社の経営力を向上するために実施する計画です。平成28年7月にスタートした国の制度で、中小企業の経営力向上を通じて日本の経済成長を実現することを目的としています。

 

この制度の背景には、多くの中小企業が経営計画を作成していないという現状があります。目の前の仕事に場当たり的に対応するのではなく、自社の状況や外部環境について立ち止まって考え、課題や変化への対応策を盛り込んだ経営計画を立案することで経営力が向上するという考え方です。

 

経営力向上計画の申請にあたっては、現在の課題や問題、具体的にどんな取り組みを実行して経営力を向上させるかを申請書類内で明示する必要があります。認定を受けた事業者は、計画を実行するために必要な税制措置、金融支援、法的支援などの支援を受けることができます。

 

申請書様式は3枚程度で、企業の概要、現状認識、経営力向上の目標及び指標、経営力向上の内容などを策定することにより認定を受けることができます。比較的申請しやすい制度設計となっています。

経営力を構成する5つの要素

経営力は単一の能力ではなく、複数の要素から構成されています。これらを体系的に理解し強化することが重要です。

経営力は単一の能力ではなく、複数の要素から構成されています。これらを体系的に理解し強化することが重要です。

事業推進力とは、企業のビジョンや戦略を実現するために事業を前進させる能力です。市場ニーズを的確に捉え、競争優位性のある商品やサービスを開発し提供する力を指します。新規事業の立ち上げや既存事業の拡大において、この能力が発揮されます。

 

具体的には、市場分析力、商品開発力、マーケティング力、営業力などが含まれます。顧客が何を求めているかを理解し、それに応える価値を創造し届ける一連のプロセスを推進する力です。

 

組織構築力は、効率的で機能的な組織を作り上げる能力です。企業が成長するには、適切な組織体制と業務プロセスが不可欠となります。部門間の連携を円滑にし、意思決定のスピードを上げ、個々の能力を最大限発揮できる環境を整えます。

 

組織構築力には、組織設計力、権限委譲の適切さ、コミュニケーション体制の整備、業務フローの最適化などが含まれます。企業規模や事業内容に応じて最適な組織形態を選択し、柔軟に変化させていく力が求められます。

人材育成力と財務力

人材育成力は、従業員の能力を引き出し成長させる能力です。企業の成長は人材の成長に比例するといっても過言ではありません。従業員一人ひとりのスキルや知識を向上させ、モチベーションを高く保つことが重要です。

 

人材育成力には、教育研修制度の整備、OJTの実施、評価制度の構築、キャリアパスの明確化などが含まれます。従業員が自己成長を実感でき、やりがいを持って働ける環境を作ることが人材育成力の本質です。

 

財務力は、資金を適切に管理し運用する能力です。どんなに優れた事業構想があっても、資金繰りに失敗すれば企業は倒産してしまいます。必要な資金を確保し、効率的に配分し、健全な財務体質を維持する力が財務力です。

 

具体的には、資金調達力、予算管理能力、コスト管理能力、投資判断力、財務分析力などが含まれます。損益計算書や貸借対照表を読み解き、財務指標を理解し、適切な経営判断を下す能力が求められます。

リーダーシップとその重要性

リーダーシップは、組織を正しい方向に導く能力です。経営者のリーダーシップが組織全体に大きな影響を与えます。明確なビジョンを示し、従業員を鼓舞し、困難な状況でも前進し続ける推進力がリーダーシップです。

 

リーダーシップには、ビジョン提示力、意思決定力、問題解決能力、変革推進力、危機管理能力などが含まれます。特に変化の激しい現代においては、変革を恐れず新しいチャレンジを続けるリーダーシップが求められています。

 

また優れたリーダーは、自らの強みと弱みを認識し、不足する部分は他者の力を借りることができます。完璧である必要はなく、チーム全体として最高のパフォーマンスを発揮できるよう導くことがリーダーシップの真髄です。

 

これら5つの要素は相互に関連しており、バランスよく向上させることが重要です。どれか一つが突出していても、他が著しく劣っていては真の経営力とはいえません。総合的な能力向上を目指すことが経営力強化の鍵となります。

経営力向上計画における指標設定

経営力の向上を測定するには、適切な指標の設定が不可欠です。経営力向上計画では具体的な数値目標を掲げる必要があります。

労働生産性の重要性

経営力向上計画において最も重視される指標が労働生産性です。労働生産性とは、従業員一人当たりがどれだけの付加価値を生み出しているかを示す指標で、営業利益に人件費と減価償却費を加えた額を従業員数で割って算出します。

 

事業分野別指針がない場合、基本方針に基づき、5年間の計画では労働生産性の目標伸び率が原則2パーセント以上とされています。ただし業種や事業規模等を勘案して弾力的に目標を設定することもできます。

 

労働生産性の向上は、単に従業員を減らすことではありません。業務プロセスの改善、ITツールの導入、従業員のスキルアップなどにより、同じ人数でより多くの付加価値を生み出すことが本質です。

 

労働生産性を向上させることで、従業員の給与水準を上げることができ、企業の競争力も高まります。経営力向上計画では、この指標を中心に据えて具体的な取り組みを計画することが求められます。

その他の経営指標の活用

労働生産性以外にも、様々な経営指標を活用できます。売上高経常利益率は、売上高に対する経常利益の割合を示し、企業の収益性を測る重要な指標です。この指標の向上は、コスト削減や価格戦略の改善により実現できます。

 

売上高増加率は、前年度と比較してどれだけ売上が伸びたかを示します。市場シェアの拡大や新規顧客の獲得により向上します。一人当たり営業利益は、従業員一人当たりが生み出す営業利益を示し、事業の効率性を測定できます。

 

付加価値額は、企業が新たに生み出した価値の総額を示します。売上高から外部購入費用を差し引いた金額で、企業の真の生産性を表す指標です。EBITDA有利子負債倍率は、財務の健全性を示す指標で、債務返済能力を評価できます。

 

自己資本比率は、総資産に占める自己資本の割合を示し、財務の安定性を測ります。これらの指標を組み合わせて使用することで、多角的に経営力の向上を評価できます。

目標設定のポイント

経営力向上計画の目標設定では、実現可能性と挑戦性のバランスが重要です。達成不可能な高すぎる目標は従業員のモチベーションを下げますが、低すぎる目標では経営改善につながりません。

 

具体的な数値目標を設定することで、進捗状況を客観的に評価できます。漠然とした目標ではなく、3年後または5年後にどのような状態になっているかを明確に数値化することが大切です。

 

また目標達成のための具体的な施策も明記する必要があります。設備投資、IT導入、人材育成、業務改善など、どのような取り組みによって目標を達成するのかを詳細に記載します。

 

事業分野別指針が策定されている場合は、その指針に従った目標設定が求められます。指針には各業種特有の経営課題や推奨される取り組みが示されているため、参考にしながら計画を策定しましょう。

まとめ

経営力とは、事業推進力、組織構築力、人材育成力、財務力、リーダーシップという5つの要素から構成される、企業の成長と存続に不可欠な総合的な能力です。これらをバランスよく向上させることが真の経営力強化につながります。

 

経営力向上計画は、この経営力を体系的に向上させるための制度です。人材育成やコスト管理、設備投資など具体的な取り組みを計画し、労働生産性をはじめとする経営指標の向上を目指します。3年から5年の期間で実現可能かつ挑戦的な目標を設定することが重要です。

 

認定を受けた企業は、税制優遇、金融支援、法的支援など様々なメリットを享受できます。即時償却や税額控除といった税制措置により設備投資の負担が軽減され、低利融資により資金調達が容易になります。

 

経営力向上計画の策定にあたっては、認定経営革新等支援機関のサポートを受けることも可能です。商工会議所、商工会、税理士、地域金融機関などの専門家から支援を受けることで、より精度の高い計画を作成できます。変化の激しい現代において、経営力を継続的に向上させることが企業存続の鍵となるでしょう。

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