経営力向上計画令和5年3月期限の全知識|適用と対策

令和5年3月31日は経営力向上計画において重要な期限でした。中小企業経営強化税制の適用期限や特例措置の終了期限として設定されていたこの時期について、制度の詳細と当時の対応方法、その後の展開を解説します。
この記事の監修
中小企業診断士 関野 靖也
大学卒業後、大手IT企業にて、システムエンジニアとして勤務。株式会社ウブントゥ創業後は補助金申請支援実績300件以上、経営力向上計画や事業継続力向上計画など様々な公的支援施策の活用支援。
中小企業庁 認定経営革新等支援機関
中小企業庁 情報処理支援機関
中小企業庁 M&A支援機関
一般社団法人 東京都中小企業診断士協会
経済産業大臣登録 中小企業診断士
令和5年3月31日が重要だった理由
令和5年3月31日は経営力向上計画に関連する複数の制度で期限として設定されており、多くの中小企業が対応を迫られた重要な時期でした。
中小企業経営強化税制の適用期限が令和5年3月31日までとされていました。令和3年度税制改正により2年間延長された期限であり、設備投資による税制優遇を受けたい企業はこの日までに申請する必要がありました。
従業員数2000人超の企業に対する特例措置も令和5年3月31日までの時限措置でした。資本金10億円以下かつ従業員数2000人超の企業は、この日までであれば特定事業者等とみなされ認定対象となりました。
3月決算の企業にとって令和5年3月末は決算期末と重なるため、当該事業年度内に税制優遇を受けるには余裕を持った申請が必要でした。認定まで約30日かかるため逆算した準備が求められました。
税制優遇措置の内容
中小企業経営強化税制では認定を受けた経営力向上計画に基づき一定の設備を取得した場合、即時償却または取得価額の10%の税額控除を選択できました。資本金3000万円超1億円以下の法人は7%の税額控除となります。
即時償却により設備投資額全額を初年度に経費計上でき、大きな利益が出た年度に設備投資することで課税所得を大幅に圧縮できます。資金繰りの改善効果も期待できました。
税額控除は法人税額から直接差し引けるため、安定的に利益が出ている企業にとって有利な選択肢でした。設備投資の実質負担を大きく軽減する強力な支援策といえます。
申請期限への対応状況
令和5年3月末の期限を前に、多くの企業が駆け込みで申請しました。認定支援機関への相談が集中し、対応に時間を要するケースも見られました。
電子申請プラットフォームでは経済産業部局宛ての場合約14日で認定されるため、3月中旬までの申請であれば3月末までの認定が可能でしたが、書類不備があると差し戻しで間に合わない恐れがありました。
工業会証明書や経済産業局確認書の取得に時間がかかるため、設備投資を伴う計画では1月から2月には準備を開始する必要がありました。証明書取得の遅れで期限に間に合わない事例も発生しました。
令和5年3月以降の制度変更
令和5年3月31日の期限到来後、経営力向上計画に関する制度がどのように変更されたのか確認しましょう。
中小企業経営強化税制の延長
令和5年度税制改正により、中小企業経営強化税制はさらに令和7年3月31日まで2年間延長されました。期限到来を前に延長が決定したため、制度の継続性が確保されました。
延長により令和5年4月以降も引き続き即時償却や税額控除の優遇措置を受けられるようになりました。令和5年3月末に間に合わなかった企業も改めて申請の機会を得られました。
ただし令和7年度税制改正ではデジタル化設備のC類型が対象外となるなど、一部内容が変更されています。最新の制度内容を確認した上での申請が必要です。
特例措置の終了
従業員数2000人超の企業に対する特例措置は令和5年3月31日で終了しました。令和5年4月以降は従業員数2000人以下という本来の要件が適用されています。
大企業に近い規模の企業で令和5年3月末までに申請できなかった場合、その後は経営力向上計画の認定対象外となりました。移行期間があったため該当企業は対応できたと考えられます。
特例措置終了により制度本来の中小企業支援という趣旨に立ち返りました。限られた財源を真に支援が必要な中小企業に集中させる方針が明確になりました。
申請手続きの柔軟化措置
令和3年8月から工業会証明書や経産局確認書の申請手続きと計画認定審査を同時並行で進められる柔軟化措置が導入されました。これにより申請から認定までの期間が短縮されました。
この柔軟化措置は令和7年4月1日に終了予定です。それ以降は証明書や確認書を事前に取得してから計画申請する本来の手順に戻ります。
柔軟化措置の終了により再び申請準備に時間がかかるようになります。令和7年3月末までに申請を検討している企業は、証明書取得を含めた早めの準備が推奨されます。
令和5年3月期限を逃した場合の対応
令和5年3月31日の期限に間に合わなかった企業が取るべき対応と、その後の制度活用方法を説明します。
延長後の制度活用
中小企業経営強化税制は令和7年3月31日まで延長されたため、令和5年3月末に間に合わなかった企業も改めて申請できます。延長期間中に設備投資を計画している企業は制度活用を検討しましょう。
申請から認定まで約30日かかるため、事業年度末の3ヶ月前には準備を開始すべきです。認定事業年度内に設備を取得し稼働させることが税制優遇の条件となります。
電子申請プラットフォームを活用すれば処理期間が約14日に短縮されます。GビズIDプライムの取得には2週間程度かかるため、申請前に準備しておくことをお勧めします。
既存計画の見直し
令和5年3月以前に認定を受けた計画でも、実施期間内であれば設備の追加や変更が可能です。変更認定申請により追加の税制優遇を受けられます。
計画実施期間が3年で満了を迎える場合、期間満了前に変更申請で4年または5年に延長できます。最長5年まで延長可能なため、継続的な設備投資計画がある企業は活用しましょう。
計画実施期間満了後は変更申請できないため、新規申請が必要です。満了の2ヶ月前には次の計画策定を開始し、空白期間なく支援を受け続ける体制を整えます。
他の支援制度との併用
経営力向上計画以外にも中小企業支援制度は複数存在します。先端設備等導入計画では固定資産税の軽減措置が受けられます。
ものづくり補助金や事業再構築補助金などの補助金制度も活用できます。経営力向上計画の認定を受けていることで加点評価される補助金もあります。
複数の制度を組み合わせることで総合的な支援を受けられます。認定経営革新等支援機関に相談しながら、自社に最適な支援策を選択することが効果的です。
令和8年3月期限に向けた準備
現在の制度期限である令和8年3月31日に向けて、企業が今から準備すべきことを整理します。
設備投資計画の策定
令和7年3月末までに税制優遇を受けるには、逆算して設備投資計画を立てる必要があります。設備選定から工業会証明書取得、計画申請、認定、設備取得までの流れを把握します。
証明書取得には設備メーカーへの依頼から工業会の確認まで1ヶ月以上かかる場合があります。計画申請の2ヶ月前には証明書申請を開始すべきです。
認定後に設備を取得することが原則ですが、例外的に申請書到達日から遡って60日以内の取得も認められます。ただし確実性を考えると認定後の取得が安全です。
事業年度との調整
3月決算の企業が令和8年3月期に税制優遇を適用するには、令和8年2月中旬までに認定を受け、3月中に設備を取得し稼働させる必要があります。タイトなスケジュールのため早期準備が不可欠です。
決算期を変更できる場合は、余裕を持って制度を活用できる決算月への変更も検討価値があります。設備投資の時期と決算期を調整することで最大限の効果を得られます。
複数年にわたる設備投資計画の場合、各年度の投資額と税制優遇のバランスを考慮します。計画的な投資により毎年度安定した税負担軽減が実現します。
専門家への相談タイミング
認定経営革新等支援機関である税理士や公認会計士への相談は早ければ早いほど良いでしょう。令和8年3月期限の半年前である令和7年9月頃には相談を開始したいところです。
専門家は過去の認定事例や最新の制度動向に精通しています。自社だけで申請書を作成するより、専門家のサポートを受けた方が認定確率が高まります。
報酬はかかりますが、数百万円から数千万円の税制優遇を確実に受けるための投資と考えれば十分にペイします。複数の専門家に相談し、実績豊富な支援機関を選びましょう。
まとめ
令和5年3月31日は中小企業経営強化税制の適用期限と従業員数2000人超企業への特例措置終了期限として設定された重要な日でした。多くの企業が税制優遇を受けるために期限内の申請を行いました。
その後令和5年度税制改正により中小企業経営強化税制は延長され、期限に間に合わなかった企業も改めて制度を活用できるようになりました。ただし一部内容が変更されているため最新情報の確認が必要です。
令和5年3月末に間に合わなかった企業は、延長された期間を活用して設備投資計画を立て直すことができます。既存の認定計画がある企業は変更申請や期間延長により継続的な支援を受けられます。
現在の期限である令和8年3月31日に向けて、設備投資を検討している企業は今から準備を開始すべきです。証明書取得から認定までの期間を考慮し、余裕を持ったスケジュールで進めることが成功の鍵となります。認定経営革新等支援機関への早期相談により、確実な制度活用を実現しましょう。

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