新規事業給付金2025年版|使える補助金・助成金9選と申請方法

新規事業の立ち上げには多額の資金が必要です。返済不要で利用できる補助金・助成金(給付金)は、資金調達の有力な選択肢となります。
本記事では、2025年最新の新規事業に使える補助金・助成金9選と、申請方法、活用時の注意点を詳しく解説します。
この記事の監修
中小企業診断士 関野 靖也
大学卒業後、大手IT企業にて、システムエンジニアとして勤務。株式会社ウブントゥ創業後は補助金申請支援実績300件以上、経営力向上計画や事業継続力向上計画など様々な公的支援施策の活用支援。
中小企業庁 認定経営革新等支援機関
中小企業庁 情報処理支援機関
中小企業庁 M&A支援機関
一般社団法人 東京都中小企業診断士協会
経済産業大臣登録 中小企業診断士
新規事業給付金とは
新規事業給付金とは、一般的に新規事業の立ち上げや事業拡大に活用できる「補助金」や「助成金」を指します。国や自治体が中小企業や個人事業主を支援するために実施する制度で、条件を満たせば返済不要で資金を受け取れます。
補助金と助成金は厳密には異なる制度です。補助金は審査があり予算が限られていますが、支給額が数百万円から数千万円と高額なものが多くあります。一方、助成金は一定条件を満たせば受給でき、支給額は数十万円から数百万円程度が一般的です。
新規事業の立ち上げには設備投資、人件費、広告宣伝費など様々なコストがかかります。融資と異なり返済が不要なため、先が見通しづらい新規事業の立ち上げ時にも資金調達を行うことが可能です。受給実績があれば金融機関からの信頼度向上にもつながります。
新規事業に使える補助金9選
2025年時点で新規事業の立ち上げに活用できる主な補助金・助成金を9つ紹介します。それぞれの制度には特徴があり、事業内容や規模によって最適なものが異なります。
新事業進出補助金
新事業進出補助金は、事業再構築補助金の後継制度として2025年に新たに創設された補助金です。中小企業や個人事業主が新たな事業分野に進出する際に利用でき、総予算は1,500億円となっています。
既存事業と異なる事業への前向きな挑戦であって、新市場・高付加価値事業への進出を後押しすることで、中小企業等が企業規模の拡大・付加価値向上を通じた生産性向上を図り、賃上げにつなげていくことを目的としています。
補助額は最大9,000万円と非常に高額で、設備投資や人件費、広告費など幅広い経費に利用できます。申請にはGビズIDプライムアカウントの取得が必要です。
事業再構築補助金
事業再構築補助金は、新市場進出や事業・業種転換、事業再編などの取り組みを通じた規模の拡大を支援する補助金です。複数の枠が設定されており、事業規模や目的によって選択できます。
最低賃金枠では補助率3/4で最大1,500万円、成長枠では補助率1/2(条件により2/3)で最大7,000万円、グリーン成長枠では最大1.5億円の補助が受けられます。新規事業への挑戦を検討する企業にとって、非常に有力な資金調達手段です。
審査では事業計画の実現可能性や市場性、収益性などが評価されます。専門家のサポートを受けながら、綿密な事業計画を作成することが採択率向上のポイントです。
ものづくり補助金
ものづくり補助金は、中小企業や小規模事業者などが取り組むサービス開発や試作品開発、生産プロセスの改善を支援する補助金です。省力化枠、製品・サービス高付加価値化枠、グローバル枠などが設けられています。
省力化枠では補助率1/2(小規模事業者は2/3)で最大8,000万円、製品・サービス高付加価値化枠の成長分野進出類型では補助率2/3で最大2,500万円の補助が受けられます。
新規事業で新製品開発や生産性向上を目指す企業に適しています。設備投資やシステム開発、試作品製作など、ものづくりに関わる幅広い経費が対象となります。
IT導入補助金
IT導入補助金は、経営課題の解決に必要なITツール導入を支援する補助金です。通常枠、インボイス枠、セキュリティ対策推進枠などが用意されており、事業規模や目的に応じて選択できます。
通常枠では補助率1/2で最大450万円、インボイス枠では補助率3/4(小規模事業者は4/5)で最大350万円の補助が受けられます。会計ソフトや顧客管理システム、ECサイト構築など、業務効率化に必要なITツール導入に活用できます。
新規事業でデジタル化を進めたい企業、業務効率化を図りたい企業に最適です。導入後の生産性向上効果を明確に示すことが重要です。
小規模事業者持続化補助金
小規模事業者持続化補助金は、小規模事業者が制度変更などに対応するため、経営計画を作成して行う販路開拓や生産性向上の取り組みを支援する補助金です。
通常枠では補助率2/3で最大50万円、創業枠や賃金引上げ枠では最大200万円の補助が受けられます。インボイス特例により、一定条件を満たす場合は補助額が50万円上乗せされます。
広告宣伝費、ウェブサイト制作費、展示会出展費など、販路開拓に関わる経費が対象です。小規模で新規事業を始める個人事業主や中小企業に適しています。
事業承継・引継ぎ補助金
事業承継・引継ぎ補助金は、事業承継や事業再編、事業統合に伴う経営資源の引継ぎを行う中小企業などを支援する補助金です。経営革新枠、専門家活用枠、廃業・再チャレンジ枠が設けられています。
経営革新枠では補助率1/2(条件により2/3)で最大800万円、専門家活用枠では最大600万円の補助が受けられます。事業承継を機に新規事業に参入する場合や、M&Aを活用した事業拡大に利用できます。
事業承継後の新たな取り組みを支援する制度のため、承継と新規事業展開を同時に進める企業に最適です。
人材開発支援助成金
人材開発支援助成金は、事業主が雇用する労働者に対し、職務に関連した知識・技能を習得させるための訓練経費や訓練期間中の賃金を助成する制度です。
特定訓練コースでは1時間あたり760円の賃金助成と経費助成45%で最大50万円、事業展開等リスキリング支援コースでは1時間あたり960円の賃金助成と経費助成75%が受けられます。
新規事業の立ち上げに必要な人材育成を計画的に進める企業に適しています。従業員のスキルアップを通じて事業の成功確率を高められます。
キャリアアップ助成金
キャリアアップ助成金は、有期雇用労働者や短時間労働者などの非正規雇用労働者の企業内でのキャリアアップを促進するため、正社員化などの取り組みをした事業主に対する助成金です。
正社員化コースでは有期雇用労働者1人あたり80万円、賃金規定等改定コースでは5%以上の賃上げで1人あたり6.5万円が支給されます。新規事業で雇用を拡大する企業に適しています。
従業員の処遇改善と定着率向上を同時に実現できるため、人材確保が課題となる新規事業において有効な制度です。
トライアル雇用助成金
トライアル雇用助成金は、職業経験の不足などから就職が困難な求職者などを無期雇用契約へ移行することを前提として、一定期間試行雇用を行う事業主に対する助成金です。
1人あたり月額4万円(母子家庭の母等または父子家庭の父の場合は月額5万円)が最大3ヶ月間支給されます。新規事業で人材を確保したいが、適性を見極めてから正式採用したい企業に適しています。
採用リスクを軽減しながら必要な人材を確保できるため、新規事業立ち上げ期の人材戦略として有効です。
補助金・助成金を活用すべき理由
新規事業に補助金・助成金を活用すべき理由は複数あります。資金面だけでなく、事業の信頼性向上や計画のブラッシュアップにもつながる重要な取り組みです。
返済不要で資金調達できる
最大のメリットは、ほとんどのケースで返済が不要である点です。銀行融資の場合は5〜7年という短期間で返済しなければならず、利息も発生します。
新規事業立ち上げ時は安定した収入を得にくいため、返済の必要がない資金を利用できることは経営の安定性を大きく高めます。初期投資に充てた資金を返済に回す必要がないため、事業成長にリソースを集中できます。
融資審査に有利になる
補助金・助成金の受給実績があると、金融機関からの融資審査に有利に働きます。補助金・助成金の審査に通過したという事実は、事業計画の正確さや実現可能性を第三者が認めた証明となるためです。
企業の信頼度が高いほど融資条件も良くなり、より大きな資金調達が可能になります。事業発展のスピードを早める重要な要素です。
事業計画をブラッシュアップできる
補助金・助成金の申請には、綿密な事業計画の立案が必須です。この過程で、市場分析や競合調査、収支計画などを詳細に検討することになります。
事業計画を作成する過程で様々な課題が発見され、今までの事業内容を見直す機会になります。事業企画をブラッシュアップさせることで、成功確率が高まり、企業の成長速度も上がります。
申請時の注意点
補助金・助成金を活用する際には、いくつかの注意点があります。これらを理解せずに申請すると、時間と労力を無駄にする可能性があるため、事前に確認が必要です。
書類準備に時間がかかる
補助金・助成金の申請には、多くの書類を準備しなければならず、相当な手間がかかります。事業計画書、経費明細、決算書、登記簿謄本など、制度によって必要な書類は異なります。
事業計画の立案から始める必要があり、数週間から数ヶ月の準備期間が必要です。特に補助金は他の企業と競争になるため、優れた事業計画や書類作成が求められます。場合によっては、コンサルティング会社や税理士への依頼も検討する必要があります。
必ず受給できるとは限らない
補助金には審査があり、申請しても必ず受給できるわけではありません。専門家に書類作成を依頼し費用をかけても、審査に通過しなければ費用倒れになります。
また、複数の補助金・助成金の審査に通過しても、同一の経費に対しては一つの制度しか利用できないケースがあります。どの制度を優先するか、事前に戦略を立てることが重要です。
公募期間が限られている
補助金・助成金は毎年公募されるとは限らず、変更・廃止されるケースもあります。また、予算や目標があり、応募人数が埋まってしまうと申請期間中でも募集を締め切ることがあります。
特に補助金は公募期間が1週間から1ヶ月程度と短いことが多く、準備が整っていないと申請できません。利用を検討している制度については、早めに情報収集し、準備を開始することが重要です。
補助金と助成金の違い
補助金と助成金は似た言葉ですが、目的や管轄、受給条件などが異なります。新規事業でどちらを活用すべきか判断するため、両者の違いを理解しておく必要があります。
補助金は経済産業省や中小企業庁、自治体などが管轄し、生産性向上や給与アップなどを目的としています。予算が決められており、審査に通過する必要があります。支給額は数百万円以上と高額ですが、公募期間は短く競争率が高い傾向にあります。
助成金は主に厚生労働省が管轄し、労働者環境改善や人材育成などを目的としています。一定条件を満たせば受給でき、公募期間は比較的長く設定されています。支給額は数十万円程度と補助金より少額ですが、要件を満たせば受給しやすいのが特徴です。
申請の基本的な流れ
補助金・助成金の申請から受給までの基本的な流れを理解しておくことで、スムーズに手続きを進められます。制度によって細部は異なりますが、大まかな流れは共通しています。
まず、自社の事業内容や目的に合った補助金・助成金を調査し、内容を確認します。次に、申請に必要な書類を準備し、電子申請システムから申請します。ほとんどの制度でGビズIDプライムアカウントが必要です。
申請後、事務局や委員会による審査が行われます。審査期間は制度によって異なり、数週間から数ヶ月かかることもあります。審査に通過すると交付決定通知が届き、事業計画のとおりに事業を開始します。
事業完了後、実績報告書や経費の証拠書類を提出します。最終審査を経て、補助金・助成金が交付されます。多くの場合、経費を先に支払い、後から補助金が振り込まれる「後払い方式」です。
まとめ
新規事業の立ち上げには、国や自治体が提供する補助金・助成金(給付金)を積極的に活用すべきです。2025年は新事業進出補助金をはじめ、事業再構築補助金、ものづくり補助金、IT導入補助金など、多様な制度が用意されています。
返済不要で資金調達できることに加え、金融機関からの信頼度向上や事業計画のブラッシュアップといったメリットも得られます。ただし、書類準備に時間がかかること、必ず受給できるとは限らないこと、公募期間が限られていることには注意が必要です。
自社の事業内容や目的に最適な制度を選び、早めに準備を開始することで、新規事業の成功確率を高めることができます。専門家のサポートも活用しながら、積極的に補助金・助成金を活用していきましょう。

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