創業融資3年以内の完全ガイド|申請期限と返済期間の最適解

創業融資を検討する際に3年という期間が重要な意味を持ちます。申請可能な期限や返済期間の設定によって事業の成長が大きく左右されます。本記事では創業融資における3年の位置づけと最適な資金調達方法を具体的に解説します。
この記事の監修
中小企業診断士 関野 靖也
大学卒業後、大手IT企業にて、システムエンジニアとして勤務。株式会社ウブントゥ創業後は補助金申請支援実績300件以上、経営力向上計画や事業継続力向上計画など様々な公的支援施策の活用支援。
中小企業庁 認定経営革新等支援機関
中小企業庁 情報処理支援機関
中小企業庁 M&A支援機関
一般社団法人 東京都中小企業診断士協会
経済産業大臣登録 中小企業診断士
創業融資の申請期限は実は2期まで
多くの方が創業から3年以内なら創業融資を受けられると誤解していますが、実際の申請期限は異なります。正しい理解が重要です。
日本政策金融公庫の新創業融資制度は創業後2期を終えるまでが対象期間です。つまり法人の場合は2回目の決算日までということになります。
3年ではなく2期という基準のため、決算日の設定によって利用可能期間が変わります。例えば3月決算で4月に法人設立した場合、約2年間が対象期間となります。
個人事業主の場合は12月31日が決算日です。1月1日開業なら最長で約2年間、12月開業の場合は実質1年強しか利用できません。
決算日による利用期間の違い
法人の決算日は任意に設定できるため、創業融資の利用期間を考慮した設定が賢明です。決算日を3月31日とした場合、2月設立だと1期目が約2ヶ月しかないため注意が必要です。
創業月から数ヶ月後に決算日を設定することで1期目を長く取れます。これにより創業融資を利用できる実質的な期間を延ばすことが可能になります。
2期の終わりを迎えてしまうと新創業融資制度は利用できなくなります。申請から認定まで約1ヶ月かかるため、2期目の決算日の2ヶ月前には申請を完了させる必要があります。
申請のベストタイミング
創業融資の申請に最適なタイミングは創業2から3ヶ月前または創業後3ヶ月以内です。創業前の申請では事業計画の信頼性で評価されるため審査に通りやすい傾向があります。
創業後の申請では実績が確認できるため、売上や利益の状況が審査材料となります。
順調に事業が進んでいれば創業後の申請でも十分に融資を受けられます。
再申請の際は6ヶ月から1年程度の期間を空けることが推奨されます。
前回の否決理由を解消せずに短期間で再申請すると計画の準備不足を疑われる可能性があります。
創業3年目でも資金調達は可能
創業融資の対象期間を過ぎても資金調達の道は閉ざされていません。創業3年目の企業が利用できる融資制度について説明します。
日本政策金融公庫の一般融資制度
新創業融資制度の対象外となっても、日本政策金融公庫には一般貸付など他の融資制度があります。これらは創業後の年数に関係なく利用可能です。
新規開業・スタートアップ支援資金は創業後7年以内であれば申し込めます。無担保・無保証人での融資も検討できる制度となっています。ただし創業融資と比べると審査基準が厳しくなります。実績として決算書や試算表の提出が求められ、事業の収益性や返済能力が重視されます。
民間金融機関の融資
創業3年目になると決算書が2期分揃っており、民間金融機関からの融資も現実的な選択肢となります。信用保証協会の保証付き融資が代表的です。
地域の信用金庫や信用組合は中小企業支援に積極的です。地域密着型の金融機関は事業内容や代表者の人柄を評価してくれる傾向があります。制度融資も各自治体が用意しており、創業後の年数制限は自治体により異なります。自社の所在地を管轄する自治体の制度を確認しましょう。
補助金や助成金の活用
返済不要の補助金や助成金も資金調達の有効な手段です。創業3年目でも申請できる制度が多数存在します。
小規模事業者持続化補助金は販路開拓や生産性向上の取り組みを支援します。事業再構築補助金では新分野展開や業態転換に必要な経費が補助対象です。
ものづくり補助金は革新的な製品開発やサービス開発を行う事業者を支援します。これらを融資と組み合わせることで自己資金を抑えた事業展開が可能になります。
返済期間3年設定のメリットとデメリット
創業融資の返済期間を3年に設定した場合の特徴を理解し、自社に適しているか判断することが重要です。
返済期間3年のメリット
利息負担を大幅に軽減できることが最大のメリットです。
1000万円の融資を金利2%で借りた場合、3年返済なら総利息は約32万円、7年返済だと約73万円となり約40万円の差が生まれます。
追加融資を受けられるタイミングが早くなります。
一般的に融資残高の30%以上を返済すると追加融資の可能性が出てきます。
3年返済なら約1年3ヶ月後、7年返済だと約2年半後です。
返済実績を早期に積み上げることで金融機関からの信用度が向上します。
次回融資時により有利な条件を引き出せる可能性が高まり、事業拡大のスピードアップにつながります。
返済期間3年のデメリット
毎月の返済額が大きくなるため資金繰りが厳しくなります。1000万円の融資を3年で返済する場合、月々約29万円の返済が必要です。7年なら約12万円で済みます。
創業初期は売上が不安定なため、計画通りに収益が上がらない場合に資金ショートのリスクが高まります。返済負担が重くなると本来必要な設備投資や広告宣伝に資金を回せません。
事業の成長に必要な投資を我慢することになり、結果的に事業拡大のチャンスを逃す可能性があります。短期的な利息節約よりも中長期的な事業成長を優先すべき局面も多いです。
適切な判断基準
返済期間3年が向いているのは既に安定した収益基盤がある既存事業者です。創業期でも確実に高収益が見込める事業モデルなら検討の余地があります。
逆に初期投資が大きく回収に時間がかかるビジネスモデルでは3年返済は避けるべきです。飲食店や小売業など初期費用が高額な業種は特に注意が必要です。
複数のシナリオでキャッシュフローシミュレーションを行い、悲観的なシナリオでも返済可能かを確認してください。安全マージンを持った返済計画が事業継続の鍵となります。
最適な返済期間の決め方
創業融資の返済期間は5年から10年で設定されるケースが多いですが、自社に最適な期間を見極める必要があります。
資金繰りからの検討
毎月の収支計画を詳細に作成し、無理のない返済額を算出します。売上から経費と返済額を差し引いた残りが手元資金となります。
創業初期は予期せぬ出費が発生しやすいため、手元に余裕資金を残すことが重要です。最低でも月間運転資金の3ヶ月分は確保しておきたいところです。
季節変動のある事業では繁閑期の差を考慮します。閑散期でも問題なく返済できる計画を立てることで年間を通じて安定した経営が可能になります。
据置期間の活用
創業初期の資金繰りを安定させるため据置期間の設定を検討します。据置期間中は利息のみの支払いで元金返済が猶予されます。
日本政策金融公庫では運転資金で1年以内、設備資金で2年以内の据置期間が認められることが多いです。この期間を利用して事業基盤を固めます。
ただし据置期間を設定すると総返済額は増加します。また返済実績が積み上がらないため追加融資のタイミングが遅れるデメリットも理解しておく必要があります。
創業3年目の企業が融資審査を通過するコツ
創業3年目の企業が融資を受ける際は、創業時とは異なる審査ポイントを押さえることが重要です。
実績の見せ方
2期分の決算書が揃っている強みを活かします。売上高や営業利益の推移を示し、事業が成長軌道にあることをアピールします。
財務指標の改善傾向を数値で説明できると説得力が増します。自己資本比率の向上や売上高営業利益率の改善など具体的な数字を用意しましょう。
取引先との契約書や発注書など、今後の売上見込みを裏付ける資料も効果的です。継続的な取引関係があることを示すことで返済能力の信頼性が高まります。
資金使途の明確化
融資を受けた資金の使い道を具体的に説明します。設備投資なら機種や金額、効果を明示します。運転資金なら資金繰り表で不足時期と金額を示します。
投資によってどれだけの収益向上が見込めるかを数値化します。設備導入で生産性が何パーセント向上するか、広告投資で売上がどれだけ増えるかなど定量的な説明が求められます。
曖昧な説明では審査に通りません。調達した資金が確実に事業成長につながり、返済原資を生み出せることを論理的に示す必要があります。
返済計画の説得力
向こう3年から5年の収支計画を作成し、毎月の返済が可能であることを示します。保守的な売上予測に基づいた計画の方が信頼されます。
既存の借入がある場合は全ての返済を含めた資金繰り計画を提示します。複数の借入を抱えても問題なく返済できることを証明する必要があります。万が一売上が予想を下回った場合の対応策も準備しておきます。
経費削減の余地や資産売却の可能性など、リスクヘッジの姿勢を示すことで審査担当者の信頼を得られます。
まとめ
創業融資における3年という期間は申請期限と返済期間の両面で重要な意味を持ちます。新創業融資制度の対象は創業後2期までですが、創業3年目以降も一般融資制度や民間金融機関の融資など選択肢は豊富です。返済期間3年設定は利息負担の軽減や追加融資の早期化というメリットがある一方、月々の返済負担増加というデメリットもあります。
最適な返済期間は事業の資金繰り状況と成長戦略を総合的に判断して決定すべきです。創業3年目の企業は実績を武器に説得力のある事業計画と返済計画を提示することで融資審査通過の可能性を高められます。自社の状況に合わせた資金調達戦略を立てることが事業成長の鍵となります。

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