創業融資の必要書類を完全解説!申請から融資実行までの全書類リスト

創業融資を検討しているけれど、どんな書類を準備すればいいのか分からずお困りではありませんか。
必要書類を事前に把握しておけば、スムーズに申請を進められます。本記事では日本政策金融公庫を中心に、創業融資で必要となる書類を申請時と面談時に分けて詳しく解説します。
この記事の監修
中小企業診断士 関野 靖也
大学卒業後、大手IT企業にて、システムエンジニアとして勤務。株式会社ウブントゥ創業後は補助金申請支援実績300件以上、経営力向上計画や事業継続力向上計画など様々な公的支援施策の活用支援。
中小企業庁 認定経営革新等支援機関
中小企業庁 情報処理支援機関
中小企業庁 M&A支援機関
一般社団法人 東京都中小企業診断士協会
経済産業大臣登録 中小企業診断士
創業融資の必要書類とは?基本的な考え方
創業融資の必要書類は、大きく分けて「必須書類」と「状況に応じた書類」の2種類があります。金融機関が融資の可否を判断するための重要な資料となります。
書類の準備には時間がかかるものもあるため、融資を希望する1〜2ヶ月前から準備を始めることをおすすめします。特に許認可が必要な業種の場合は、さらに早めの準備が必要です。
申請時に必要な必須書類7点
創業融資の申請時には、以下の7つの書類が必須となります。それぞれの書類について詳しく見ていきましょう。
借入申込書
借入申込書は、融資を申し込むための基本となる書類です。申込者の基本情報や希望する融資金額、返済期間などを記入します。
日本政策金融公庫のホームページからダウンロードできるほか、インターネット申込を利用すれば入力フォームで代用できます。
記入する主な内容は、事業者の氏名や住所、事業内容、申込金額、資金の使い道、返済期間などです。正確な情報を記入することで、その後の審査がスムーズに進みます。
創業計画書
創業計画書は、融資審査において最も重視される書類です。どのような事業を始めるのか、どのように収益を上げていくのかを具体的に説明します。
記入する項目には、創業の動機、経営者の略歴、取扱商品やサービスの内容、取引先や取引条件、必要な資金と調達方法、事業の見通しなどがあります。
日本政策金融公庫では業種ごとに記入例を公開しているため、自分の業種に近い事例を参考にしながら丁寧に作成しましょう。数値の根拠を明確にすることが審査通過のポイントです。
設備資金の見積書
設備投資を予定している場合は、購入する設備の見積書が必要です。店舗の内装工事や機械設備など、10万円以上のものが対象となります。
見積書は実際に購入を予定している業者に作成してもらい、工事請負契約書がある場合はそのコピーも添付します。融資金の使い道を明確にすることで、審査担当者の信頼を得られます。
創業資金の領収書
すでに創業のために支出した費用がある場合は、その領収書やレシートのコピーを提出します。物件の契約金や設備の購入費用などが該当します。
これらの書類により、事業開始に向けて具体的な準備を進めていることを示すことができます。金額が大きいものから優先的に整理しておきましょう。
許認可証・資格証明書
飲食店や美容室、建設業など許認可が必要な業種の場合は、許認可証や資格を証明する書類のコピーが必要です。
注意すべきは、融資申請前に許認可を取得しておく必要がある点です。許認可取得のための費用として融資を受けることはできません。申請スケジュールに余裕を持って準備しましょう。
本人確認書類
代表者の本人確認書類として、運転免許証、マイナンバーカード、パスポートのいずれかのコピーが必要です。
運転免許証とマイナンバーカードは表面と裏面の両方をコピーします。パスポートの場合は、顔写真のページと現住所が記載されているページをコピーしましょう。
原本ではなくコピーで構いませんが、有効期限が切れていないか事前に確認することが大切です。
履歴事項全部証明書と定款(法人の場合)
法人で創業する場合は、履歴事項全部証明書(登記簿謄本)の原本と定款のコピーを準備します。
履歴事項全部証明書は法務局で取得でき、窓口申請のほかオンライン請求も可能です。オンライン請求の方が手数料が安くなるため、時間に余裕がある場合は活用しましょう。発行から3ヶ月以内のものを提出します。
面談時に追加で必要となる書類
申請後、融資担当者との面談が行われます。面談時には以下の書類を準備しておくとスムーズです。
預金通帳
自己資金の確認や資金繰りの状況を確認するため、代表者名義の預金通帳の原本が必要です。直近6ヶ月以上の取引履歴が記載されたものを準備しましょう。
公共料金の引き落としやクレジットカードの支払い状況もチェックされるため、メインで使用している通帳だけでなく、残高がある通帳は全て持参します。
ネット銀行を利用している場合は、取引明細を印刷して提出します。家族から援助を受ける場合は、家族名義の通帳も必要となるので注意しましょう。
確定申告書または源泉徴収票
すでに個人事業主として事業を行っている場合は、直近2年分の確定申告書を用意します。
会社員から独立する場合は、直近2年分の源泉徴収票を準備しましょう。収入の安定性や返済能力を判断する材料となります。
不動産関連書類
店舗や事務所を賃貸する場合は、賃貸借契約書または物件説明書が必要です。融資申請時点で契約が完了していない場合は、賃貸借予約契約書でも構いません。
持ち家などの不動産を所有している場合は、固定資産税課税明細書と固定資産税の領収書を提出します。これらは毎年4〜5月頃に郵送される書類です。
ローン返済予定表
住宅ローンや自動車ローンなど、既存のローンがある場合は返済予定表を提出します。借入残高や月々の返済額を確認するための資料です。
延滞や未払いがないかも確認されるため、過去1年間の返済状況を整理しておきましょう。可能な限り返済を進めてから融資を申請することで、審査が有利に進みます。
月別収支計画書
必須ではありませんが、作成することを強くおすすめする書類です。創業後の月別の売上高や経費、利益の見通しを詳細に記載します。
日本政策金融公庫のフォーマットでは年単位の計画のみですが、月別で作成することで事業計画の精度が高いことをアピールできます。売上の根拠や計算過程も併せて記載しましょう。
その他補足資料
業種や事業内容によっては、以下のような資料を追加で準備すると効果的です。
店舗や施設の図面、商品やサービスのカタログ、取引先との契約書案、市場調査の資料などが挙げられます。事業計画の実現可能性を示す客観的な資料は、審査にプラスに働きます。
自治体の創業融資制度の場合の追加書類
日本政策金融公庫以外に、都道府県や市区町村が実施する創業融資制度もあります。この場合は信用保証協会を経由するため、追加の書類が必要です。
信用保証委託申込書や個人情報の取扱いに関する同意書などが必要となります。自治体によって必要書類が異なるため、事前に窓口に確認しましょう。
書類準備のポイントと注意点
創業融資の書類準備を進める上で、押さえておくべきポイントを解説します。
早めの準備が成功のカギ
融資申請から実行までは、最短でも1ヶ月程度かかります。書類の準備に時間がかかるものもあるため、2〜3ヶ月前から計画的に準備を始めましょう。
特に許認可が必要な業種や、不動産契約が必要な場合は、さらに早めの行動が求められます。スケジュールに余裕を持って進めることが大切です。
数値の根拠を明確にする
創業計画書や収支計画書では、記載する数値の根拠を明確にすることが重要です。売上の見込みをどのように算出したのか、経費の内訳はどうなっているのかを説明できるようにしておきましょう。
市場調査の結果や同業他社のデータなど、客観的な情報を盛り込むことで説得力が増します。
一貫性のある内容にする
提出する書類間で矛盾が生じないよう注意しましょう。創業計画書と面談での説明、補足資料の内容が一致していることが大切です。事業内容や資金の使い道について、全ての書類で統一された説明ができるよう整理しておきましょう。
専門家への相談も検討する
書類の作成に不安がある場合は、認定支援機関や税理士などの専門家に相談することも有効です。融資サポートの実績が豊富な専門家であれば、書類作成のアドバイスや審査のポイントを教えてもらえます。
費用はかかりますが、融資成功率を高めることができるため、必要に応じて活用しましょう。
まとめ:万全の準備で創業融資を成功させよう
創業融資の必要書類について、申請時と面談時に分けて詳しく解説してきました。
必須となる書類は、借入申込書、創業計画書、見積書、領収書、許認可証、本人確認書類、履歴事項全部証明書の7点です。面談時には預金通帳や確定申告書、不動産関連書類なども準備しておきましょう。
書類の準備には時間がかかるため、早めに取り掛かることが重要です。特に創業計画書は最も重視される書類なので、時間をかけて丁寧に作成しましょう。数値の根拠を明確にし、事業の実現可能性を具体的に示すことが審査通過のポイントです。
必要に応じて専門家のサポートも活用しながら、万全の準備で創業融資の成功を目指してください。

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