創業融資 サポート|専門家に依頼すべき理由と審査通過率90%を実現する選び方

創業融資の申し込みを自分でやるべきか、専門家のサポートを受けるべきか悩んでいませんか。
結論から言うと、自力での審査通過率は50〜60%ですが、専門家のサポートを受けると90%以上まで向上します。
本記事では、創業融資サポートの内容から選び方、費用対効果まで、実践的な情報を徹底解説します。
この記事の監修
中小企業診断士 関野 靖也
大学卒業後、大手IT企業にて、システムエンジニアとして勤務。株式会社ウブントゥ創業後は補助金申請支援実績300件以上、経営力向上計画や事業継続力向上計画など様々な公的支援施策の活用支援。
中小企業庁 認定経営革新等支援機関
中小企業庁 情報処理支援機関
中小企業庁 M&A支援機関
一般社団法人 東京都中小企業診断士協会
経済産業大臣登録 中小企業診断士
創業融資サポートとは?専門家が提供する支援内容
創業融資サポートとは、税理士や中小企業診断士などの専門家が、融資獲得のために総合的にサポートするサービスです。単なる書類作成代行ではなく、融資成功に必要なすべてのプロセスを支援します。
創業融資サポートの基本サービス
創業融資サポートの基本的なサービス内容は、事業計画書の作成支援、必要書類の準備アドバイス、融資申込書類のチェック、面談対策とシミュレーション、金融機関との交渉代行、融資後のフォローアップなどです。
特に事業計画書の作成支援では、売上予測や収支計画など数値計画の精度を高めることができます。融資担当者を納得させる論理的で説得力のある計画書を作成することが、審査通過の鍵となります。また面談対策では、想定質問への回答準備や、効果的な受け答えの方法など、実践的なアドバイスを受けられます。
専門家は金融機関の審査基準を熟知しているため、審査で重視されるポイントを押さえた準備ができます。金融機関との交渉代行では、融資条件の交渉や追加資料の提出対応など、コミュニケーションを円滑に進めてくれます。
融資実行後も、経営相談や追加融資のサポートなど、継続的な支援を受けられることが多いです。
自力申込との審査通過率の違い
創業融資を自力で申し込んだ場合の審査通過率は、一般的に50〜60%程度といわれています。日本政策金融公庫では、申し込みの約半数が審査に落ちているのが現実です。
一方、税理士などの専門家のサポートを受けた場合、審査通過率は90%以上まで上昇します。この大きな差が生まれる理由は、事業計画書の質の違いにあります。
専門家は融資審査で何が評価されるかを熟知しており、審査担当者の視点に立った計画書を作成できます。
また創業融資の支援実績が豊富な専門家は、業種別の成功パターンを把握しています。同業種での融資獲得事例を参考にしながら、効果的な計画を立てることができるのです。
サポートを受けるべき人の特徴
創業融資サポートを受けることを特におすすめするのは、次のような方です。
第一に、初めて起業する方で融資の知識や経験がない場合です。
創業融資の申込手続きや必要書類、審査のポイントなど、わからないことが多い段階では専門家のサポートが非常に有効です。
第二に、事業計画書の作成に自信がない方です。
売上予測の立て方や収支計画の組み方など、数字の根拠を示すことが難しいと感じる場合は、専門家のノウハウが役立ちます。
第三に、確実に融資を獲得したい方です。
自己資金が限られている、他に資金調達の手段がないなど、融資獲得が事業スタートの絶対条件である場合は、審査通過率を最大化するために支援を受けるべきです。
第四に、時間に余裕がない方です。
本業の準備や物件探しなどで忙しく、融資申込の準備に十分な時間を割けない場合、専門家に任せることで効率的に進められます。
創業融資サポート会社の種類と特徴
創業融資サポートを提供する専門家には、いくつかのタイプがあります。それぞれの特徴を理解し、自分に合ったサポート先を選びましょう。
税理士事務所によるサポート
税理士事務所は、創業融資サポートの最も一般的な提供元です。税理士は税務と会計の専門家であり、財務面での的確なアドバイスができます。
事業計画書の数値計画(売上予測、収支計画、資金繰り表など)の精度を高めることができ、審査担当者を納得させる説得力のある計画を作成できます。また税理士事務所でサポートを受けることで、融資実行後も継続的に税務顧問として関係を続けられるメリットがあります。
創業後の税務申告や経営相談など、長期的なサポートを受けることができます。多くの税理士事務所では、融資サポートと税務顧問をセットで提供しており、創業期から事業全体をサポートしてくれます。認定支援機関(経営革新等支援機関)に登録されている税理士であれば、中小企業経営力強化資金という有利な融資制度も利用できます。
融資コンサルタント・専門会社
創業融資に特化したコンサルタント会社や専門会社も存在します。
これらの会社は、創業融資の支援に特化しているため、融資獲得のノウハウが豊富に蓄積されています。月間100件以上の支援実績を持つ会社もあり、様々な業種や事例に対応できる経験があります。融資コンサルタントの強みは、融資獲得に特化したサポート体制です。事業計画書の作成から面談対策まで、融資成功に必要なすべてのプロセスを効率的に支援してくれます。
一方、税理士のような税務の専門資格を持たない場合もあるため、融資後の継続的なサポートには限界があることも理解しておく必要があります。
融資獲得だけに焦点を当てたい場合は、融資コンサルタントが適していますが、長期的な事業運営のサポートも必要な場合は、税理士事務所の方が適しています。
認定支援機関のメリット
認定支援機関(経営革新等支援機関)とは、中小企業の経営支援に関する専門的知識や実務経験を持つ機関として、国が認定した専門家です。
税理士、公認会計士、中小企業診断士、金融機関などが認定を受けています。認定支援機関のサポートを受けて事業計画を策定すると、中小企業経営力強化資金という有利な融資制度を利用できます。この制度では特別利率が適用されるため、通常よりも低い金利で借り入れが可能です。
また認定支援機関は、事業計画の策定から融資後のフォローまで、継続的な支援を提供することが求められています。中小企業庁のウェブサイトで認定支援機関を検索できるため、依頼を検討している専門家が認定されているか確認しましょう。認定支援機関の支援を受けることで、金利面でのメリットだけでなく、質の高い経営支援を継続的に受けられることが大きな強みです。
創業融資サポートの料金体系と費用相場
専門家への支援依頼には費用がかかりますが、その投資価値を正しく理解することが重要です。料金体系と費用相場を確認し、適正な判断をしましょう。
成功報酬制が一般的
創業融資サポートの基本的な料金体系は、成功報酬制です。
成功報酬制とは、融資が実行されなかった場合には料金を支払わなくてもよく、融資が実行された場合のみ報酬を支払う仕組みです。報酬額は融資額の2〜5%が相場で、多くの場合は3%前後で設定されています。
例えば、1,000万円の融資を受けた場合、サポート料として支払うのは30万円程度となります。重要なポイントとして、成功報酬は融資額の5%以下でなければ違法となります。
出資法により、融資額の5%を超える報酬を受け取ることは禁止されているため、5%以上の報酬を要求する業者には注意が必要です。完全成功報酬を謳う業者もありますが、実際には着手金や相談料を別途請求するケースもあるため、料金体系を事前に明確に確認しましょう。
着手金と成功報酬の組み合わせ
着手金と成功報酬を組み合わせた料金体系を採用している専門家も多いです。
着手金は5万円〜15万円程度が一般的で、サポート開始時に支払います。着手金を支払うことで、融資が実行されなかった場合でも専門家の時間と労力に対する対価を支払う形となります。
一方、成功報酬は融資額の1〜3%程度と、完全成功報酬制よりも低めに設定されることが多いです。例えば、着手金10万円、成功報酬2%という設定の場合、1,000万円の融資を受けると、合計30万円(着手金10万円+成功報酬20万円)となります。
着手金がある場合は、融資が実行されなかった場合でも着手金は返金されないため、その点を理解した上で依頼する必要があります。ただし着手金を支払うことで、専門家も真剣にサポートに取り組むというメリットもあります。
費用対効果の考え方
創業融資サポートの費用は、一見高額に感じるかもしれません。
しかし審査落ちのリスクや時間の節約効果を考えると、十分に投資価値があるといえます。
自力で申し込んで審査に落ちた場合、再申請まで6ヶ月程度待たなければならず、事業開始が大幅に遅れてしまいます。また専門家の支援により、より多くの融資額を獲得できる可能性も高まります。自力では500万円しか借りられなかったところを、専門家のサポートで1,000万円借りられれば、差額の500万円が実質的な価値となります。
さらに時間の節約効果も大きいです。創業融資の申込準備を自力で行うと、数週間から1ヶ月以上の時間を要します。専門家に依頼することで、この時間を本来の事業準備(物件選定、内装工事、仕入先確保、スタッフ採用など)に充てることができます。時間の価値を考えると、専門家への依頼は十分に合理的な選択といえます。
創業融資サポート会社の選び方|5つのポイント
創業融資サポートを提供する専門家は数多く存在します。自分に合った専門家を選ぶことが、融資獲得の成功につながります。
ポイント1:創業融資の支援実績
最も重要なのは、創業融資の支援実績です。
年間何件の支援を行っているか、審査通過率はどの程度かなど、具体的な数字を確認しましょう。支援実績が豊富な専門家は、様々な業種や事例を経験しており、ノウハウが蓄積されています。
また日本政策金融公庫や各金融機関との関係も構築されているため、スムーズな対応が期待できます。ウェブサイトに掲載されている実績や、口コミ・評判なども参考にすることをおすすめします。
可能であれば、同業種での支援実績があるかも確認すると良いでしょう。飲食店の融資支援が得意な専門家、IT系の支援実績が豊富な専門家など、得意分野が異なることもあります。
ポイント2:サポート内容の具体性
サポート内容を具体的に確認することも重要です。「事業計画書の作成支援」といっても、どこまで深くサポートしてくれるのかは専門家によって異なります。ヒアリングを何回行ってくれるのか、面談対策は何時間実施してくれるのか、面談に同席してくれるのかなど、具体的な内容を確認しましょう。
また融資実行後のフォロー体制についても確認が必要です。
融資を受けて終わりではなく、経営相談や追加融資のサポートなど、継続的な支援を提供しているかを確認することをおすすめします。特に税理士の場合、融資支援だけでなく、創業後の税務顧問としても関係を継続できるかが重要なポイントです。
ポイント3:料金体系の透明性
専門家に支援を依頼する際は、料金体系を明確に確認することが重要です。見積もりの段階で、総額でいくらかかるのか、追加費用は発生するのかなど、詳細に確認しましょう。料金が不明瞭な業者は避けるべきです。
また完全成功報酬を謳いながら、実際には着手金や相談料を別途請求するケースもあります。
初回相談時に、料金体系を書面で提示してもらうことをおすすめします。融資額の5%を超える報酬を要求する業者は、出資法違反となるため絶対に避けましょう。適正な料金設定をしている専門家を選ぶことが、トラブルを避けるポイントです。
ポイント4:対応の丁寧さとコミュニケーション
初回相談での対応の丁寧さも、重要な判断材料となります。
こちらの話をしっかり聞いてくれるか、質問に的確に答えてくれるか、事業内容を理解しようとする姿勢があるかなどを確認しましょう。創業融資支援では、専門家との綿密なコミュニケーションが必要となります。
事業内容や計画を正確に理解してもらうためには、何度もやり取りを重ねることになります。相性が合わない専門家では、円滑なコミュニケーションが取れず、結果的に良い成果につながりません。
初回相談は無料で受け付けている専門家が多いため、複数の専門家に相談してから決定することをおすすめします。実際に会って話をすることで、信頼できるかどうか、相性が良いかどうかを判断できます。
ポイント5:認定支援機関の資格
国から認定を受けた「認定支援機関」であるかどうかも重要な判断基準です。
認定支援機関とは、中小企業の経営支援に関する専門的知識や実務経験を持つ機関として、国が認定した税理士、公認会計士、中小企業診断士などです。認定支援機関の支援を受けることで、中小企業経営力強化資金という有利な融資制度を利用できます。
この制度では、特別利率が適用されるため、通常よりも低い金利で借り入れが可能です。
また認定支援機関は、事業計画の策定から融資後のフォローまで、継続的な支援を提供することが求められています。中小企業庁のウェブサイトで認定支援機関を検索できるため、依頼を検討している専門家が認定されているか確認しましょう。
創業融資サポートを受ける際の注意点
専門家のサポートを受ける際も、いくつかの注意点があります。トラブルを避けるために、事前に確認しておくべきポイントを押さえましょう。
違法業者に注意する
創業融資サポートの中には、違法な手続きを行う業者も存在します。
提出書類を偽造する、売掛金の金額をごまかすなど、不正な方法で融資を通過させようとする業者には絶対に依頼してはいけません。もし不正な方法で融資を受けた場合、融資の一括返済を求められたり、刑事責任を問われたりする可能性があります。「審査に落ちることはない」「必ず融資を受けられる」といった過度な宣伝をする業者には注意が必要です。
また融資額の5%を超える報酬を要求する業者は、出資法違反となるため避けましょう。正規の専門家は、適正な方法で融資獲得を支援し、法律を遵守した料金設定をしています。
丸投げせず自分も理解する
専門家に依頼したからといって、すべてを丸投げするのは避けるべきです。
事業計画書の内容は、経営者自身が完全に理解している必要があります。面談では、事業計画書の内容について詳しく質問されるため、自分の言葉で説明できなければなりません。
専門家が作成した事業計画書を棒読みするだけでは、審査担当者の信頼を得ることはできません。専門家とのやり取りを通じて、自分の事業について深く理解し、説明できるよう準備することが重要です。
また創業融資は、単なる資金調達の手段ではなく、事業を深く考える良い機会でもあります。専門家のサポートを受けながら、経営者としての力を身につけることが、創業後の成功にもつながります。
契約内容を書面で確認する
専門家に依頼する際は、契約内容を必ず書面で確認しましょう。
サポート内容、料金、支払い時期、キャンセルポリシーなどを明記した契約書を交わすことが重要です。口頭での約束だけでは、後々トラブルになる可能性があります。特に料金については、着手金の有無、成功報酬の計算方法、追加費用の発生条件などを明確にしておきましょう。
また融資が実行されなかった場合の取り扱いについても、事前に確認しておく必要があります。契約書の内容に不明点がある場合は、必ず質問して納得した上で署名しましょう。
まとめ
創業融資サポートは、融資獲得の成功率を飛躍的に高める有効な手段です。
自力での審査通過率が50〜60%程度であるのに対し、専門家のサポートを受けることで90%以上まで向上させることができます。支援費用は着手金と成功報酬を合わせて数十万円かかりますが、審査落ちのリスクや時間の節約効果を考えると、十分に投資価値があるといえます。
専門家を選ぶ際は、創業融資の支援実績、サポート内容の具体性、料金体系の透明性、対応の丁寧さ、認定支援機関の資格などを総合的に判断しましょう。
初回相談は無料の場合が多いため、複数の専門家に相談してから決定することをおすすめします。また専門家に依頼する際も、自分でも情報収集を行い、事業内容を深く理解し、積極的にコミュニケーションを取ることが重要です。
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