創業融資を通すための事業計画書の書き方|審査に通るポイントを徹底解説

「創業融資を受けたいけど、事業計画書ってどう書けばいいの?」
――そんな疑問を持つ方は多いでしょう。

日本政策金融公庫などの創業融資では、事業計画書が審査の最重要書類です。
数字の正確さよりも、「計画に説得力があるか」「再現性があるか」が評価されます。

本記事では、融資審査で通る事業計画書の書き方とポイント、よくある失敗例、専門家に相談するメリットをわかりやすく解説します。
開業を夢で終わらせず、確実にスタートを切るために、ここで“通る計画書”の作り方を身につけましょう。

この記事の監修

中小企業診断士 関野 靖也

大学卒業後、大手IT企業にて、システムエンジニアとして勤務。株式会社ウブントゥ創業後は資金調達の支援実績300件以上、事業計画書の策定支援実績500件以上など中小企業支援に特化。中小企業にとってメリットの大きい経営力向上計画や事業継続力向上計画など様々な公的支援施策の活用も支援。

中小企業庁 認定経営革新等支援機関
中小企業庁 情報処理支援機関
中小企業庁 M&A支援機関
一般社団法人 東京都中小企業診断士協会
経済産業大臣登録 中小企業診断士
応用情報処理技術者、Linux Professional、ITIL Foundation etc

目次

第1章 創業融資で“通る人・落ちる人”の違いとは

創業融資の審査は、単に「事業が面白いか」ではなく、**“再現性”と“信頼性”**で判断されます。

同じ業種・同じ規模でも、「計画書の内容の伝え方」で結果が大きく変わります。

1-1. 通る人の特徴

  • 過去の経験や実績をもとに、明確な事業コンセプトを説明できる

  • 数字(売上・原価・利益率)が現実的で裏付けがある

  • 事業のリスクと対策を自分の言葉で話せる

1-2. 落ちる人の特徴

  • 収支計画がざっくりしすぎて根拠が不明

  • 「なんとなく儲かりそう」といった感覚的な説明

  • 自己資金が少なく、資金繰り計画に余裕がない

つまり、「やりたい」ではなく「やれる理由」を数字で語ることが、審査突破のカギです。

第2章 事業計画書の基本構成と書くべき項目

事業計画書は、“夢”を“数字”に変える設計図です。

日本政策金融公庫の「創業計画書」フォーマットをもとに、書くべき項目を整理しましょう。

項目

内容/書き方のポイント

①事業概要

事業内容・提供サービス・ターゲット

 「誰に」「何を」「どうやって」を明確に

②創業動機

起業のきっかけ・想い・課題意識

自分の経験や価値観を具体的に書く

③経歴・スキル

過去の職務経験・資格など

事業にどう活かせるかを説明する

④市場分析

顧客層・競合・地域特性

データや実地調査を根拠にする

⑤売上・収支計画

売上高・経費・利益見込み

月ごとのシミュレーションを提示

⑥資金計画

設備投資・運転資金・融資額

見積書を添付し、根拠を明示する

⑦今後の展望

3〜5年後の目標や成長戦略

具体的な数値目標(店舗数・売上など)

文章だけでなく、図表やグラフを入れると視覚的に伝わりやすいです。

また、SNSやWEB活用などのマーケティング戦略も積極的に記載しましょう。

第3章 審査担当者が見ている5つのポイント

金融機関の審査担当者は、事業計画書の「整っている感」よりも、次の5点を重点的に見ています。

  1. 創業動機の一貫性

     → なぜこの事業をやるのか?経験・想いに一貫性があるか

  2. 市場ニーズの理解度

     → 競合分析・顧客分析に具体性があるか

  3. 数字の現実性

     → 売上・利益が実現可能な範囲にあるか

  4. 資金繰りの余裕

     → 運転資金を確保しているか(3〜6か月分)

  5. 経営者の姿勢

     → 面談での説明力・誠実さ・リスク意識

つまり、審査は「計画書+人柄」で決まります。

書面で信頼を築くことが、融資成功の第一歩です。

第4章 数字に強くなる!売上・利益・資金繰りの立て方

数字の裏付けがある計画は、説得力が段違いです。

ここでは、融資担当者に信頼される数字の作り方を紹介します。

4-1. 売上予測は「客単価×客数×稼働日数」で算出

たとえば美容サロンなら、

客単価5,000円 × 1日10人 × 25日営業 = 月商125万円。

この計算式を根拠として示すことで、**“感覚ではなくデータで考えている”**ことを伝えられます。

4-2. 原価・経費は多めに見積もる

開業初期は予想外の出費が多いもの。

家賃・光熱費・広告費などは、実際の見積もり+20%程度で計算しておくと安全です。

4-3. 損益分岐点を明確にする

「月○万円売上で黒字」「○人来店で利益化」など、

損益分岐ラインを明示することで経営の見通しを説明できるようになります。

第5章 よくあるNG例と改善のヒント

NG例/問題点

改善策

「3年で年商1億円を目指します!」

根拠がなく非現実的

データに基づいた中期計画を提示

「お客様を笑顔にしたい」だけ

情熱は大事だが数字がない

具体的な販売目標・顧客数を設定

「自己資金ゼロで全額融資希望」

リスクを金融機関が負担する形

自己資金2〜3割を準備して信頼性を示す

経費項目がざっくり

運転資金不足に見える

家賃・人件費・広告費を明細化

「夢を語るだけ」では融資は通りません。

現実的なシミュレーションと自己資金の投入意識を見せることが、審査突破の条件です。

第6章 専門家に依頼するメリットと成功の近道

事業計画書は“経営の設計図”でもあり、一度プロに見てもらう価値は大きいです。

6-1. 採択率が上がる理由

中小企業診断士や税理士などの専門家に相談すると、

金融機関が重視するポイント(利益率・資金繰り・返済計画)を踏まえて修正してもらえるため、通過率が格段に上がります。

6-2. 自分の事業を“数字で語れるようになる”

第三者に説明する過程で、事業の強み・課題・リスクが整理されます。

結果的に、面談でも自信を持って話せるようになります。

 

6-3. 補助金や助成金にもつながる

しっかりした事業計画書は、補助金申請にもそのまま活用可能

融資だけでなく、開業後の経営支援にも役立ちます。

まとめ

創業融資を通すための事業計画書は、

**「熱意+具体性+数字の裏付け」**がすべてです。

思いを語るだけではなく、

「なぜ成功するのか」「どのくらいの利益が見込めるのか」を、データとロジックで説明できるようにしましょう。

融資は“夢を現実に変えるためのパートナー探し”です。

しっかり準備すれば、きっとあなたの想いは伝わります。

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