DXはどう始めるべきか?
バックオフィスから始める
企業変革の第一歩

少子高齢化、人手不足、働き方改革、そして2025年の崖——いま、日本の企業が直面する経営課題はかつてないほど複雑化しています。これらの課題に対し、企業の持続的な成長や競争力強化の鍵となるのが「DX(デジタルトランスフォーメーション)」です。
この記事では、「DXをどう始めればいいのか分からない」という企業や担当者に向けて、DXの基礎知識から、バックオフィスを起点とした推進ステップ、成功のポイントまでをわかりやすく解説します。

この記事の監修

株式会社ウブントゥ 関野 靖也

大学卒業後、大手IT企業にて、システムエンジニアとして勤務。株式会社ウブントゥ創業後は補助金申請支援実績300件以上、経営力向上計画や事業継続力向上計画など様々な公的支援施策の活用支援。

認定経営革新等支援機関
情報処理支援機関
M&A支援機関
一般社団法人 東京都中小企業診断士協会 会員
経済産業大臣登録 中小企業診断士
応用情報処理技術者、Linux Professional、ITIL Foundation etc 
 

目次

DXとは?改めて定義を整理しよう

DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、単なる「デジタル化」ではなく、デジタル技術やデータを活用して、企業の組織・文化・業務・ビジネスモデル全体を変革し、競争力を強化する取り組みです。経済産業省の定義では、以下のようにまとめられています:

デジタル技術を活用し、製品やサービス、業務、組織、風土まで変革し、競争優位を
確立すること。

つまり、ITツールやシステムの導入そのものはあくまで「手段」であり、真のDXとは“企業全体の変化”を促すことを意味します。

ITとDXの違いとは?混同しやすい概念を整理

「IT化」と「DX」は似て非なるものです。両者の違いを正しく理解することが、DXを正しく始める第一歩になります。

IT化(デジタル化)

既存業務を効率化・自動化するために、ITツールやシステムを導入すること。例:紙の請求書を電子化、勤怠管理をExcelからクラウドに移行 など。

DX

IT化を土台としながら、組織全体の仕組みや文化を変革し、継続的な成長と競争力強化を目指す取り組み。
例:データを活用した意思決定、リモートワーク体制の構築、業務フローの抜本的見直し など。

IT化は”業務を楽にする”ための施策であるのに対し、DXは”企業の在り方そのものを変える”改革です。したがって、単なるツール導入だけではDXとは言えず、組織や人、プロセスにまで踏み込んで変革を起こす視点が必要です。

なぜ今、バックオフィスのDXが必要なのか

バックオフィス業務(経理・財務・人事・労務・総務・法務など)は、企業の直接的な売上に関わらない一方で、企業運営の土台を支える極めて重要な役割を担っています。
しかし、バックオフィスには次のような課題が残りがちです。

 

・紙・電話・FAXなどアナログ業務が多い
・テレワークに対応しにくい
・業務が属人化しやすく、引き継ぎに弱い
・定型的・ルーティンな作業が多い

 

近年では働き方改革や人手不足、2025年の崖(老朽化したITの放置による経済損失リスク)への対応などから、バックオフィスの変革=企業全体の生産性と競争力を高める重要課題となっています。

 

バックオフィスDXで得られるメリット

コスト削減

紙代・印刷・保管・郵送費用などの間接費削減

生産性向上

自動化・効率化により時間を創出

多様な働き方の実現

ペーパーレス化でリモート対応が可能に

業務の正確性向上

人為的ミスの削減

属人化の解消

業務の標準化・マニュアル化が進む

DX推進のための5ステップ

DXの推進は一朝一夕では成し遂げられません。特に中小企業やバックオフィス業務では、「どこから着手するべきか分からない」という声が多く聞かれます。
ここでは、実践的で無理のないDXの進め方を5つのステップで紹介します。

STEP1|目的を明確にする

まず大切なのは、「DXを通じて何を実現したいのか」を明確にすることです。
経営層と現場が共通のゴールを持つことで、DXがブレずに進められます。

・業務の効率化
・人手不足の解消
・テレワークの定着
・属人化の解消 など

STEP2|業務の棚卸しと課題の抽出

次に、現状の業務フローを洗い出し、課題を明確化します。
業務プロセス図の作成や関係者ヒアリングを通じて、優先的に改善すべき領域を絞り込みます。

・無駄な手作業や重複業務はどこか?
・属人化している業務はないか?
・デジタル化が遅れている業務はどれか?

STEP3|社内体制を整える

DX推進には、社内全体での体制づくりが欠かせません。
特にバックオフィスDXでは、現場との対話と合意形成が成功のカギを握ります。

・経営層の支援と方針決定
・プロジェクトチームの編成(現場・IT・マネジメントを横断)
・外部の専門家の活用(業務改善・IT・補助金申請 など)

 

STEP4|小さく始めて成功体験をつくる

すべてを一気に変えようとせず、「一部署・一業務・一ツール」から始めるスモールスタートが効果的です。短期間で成果が見える領域から取り組むことで、社内に成功体験とノウハウが蓄積されます。

・勤怠管理のクラウド化
・経費精算のデジタル化
・電子契約の導入 など

 

STEP5|PDCAサイクルを回す

DXは導入がゴールではなく、継続的な改善が重要です。短期だけでなく中長期の視点でPDCAを回すことで、DXは企業文化として定着していきます。一度の導入で終わらせず、効果測定と改善を繰り返しましょう。

・Plan(計画): 目標設定と計画立案
・Do(実行): ツール導入・業務改善の実行
・Check(評価): 成果の測定とレビュー
・Act(改善): 課題を修正し次の改善へ

DXを成功させるための注意点とポイント

既存システムとの相性確認:システム同士の連携が不十分だと効果半減

定着まで見据える設計:現場が使いこなせる運用設計が不可欠

経営層の巻き込み:トップダウンとボトムアップの両輪で推進

まとめ:バックオフィスから始めるDXの第一歩

バックオフィスのDXは、企業の体質改善と成長戦略の出発点です。IT導入だけで満足せず、業務や組織文化を見直すことが本質的な変革につながります。少しずつでも継続的に取り組むことで、コスト削減・生産性向上・人材確保など、さまざまな経営効果を実感できるはずです。

そのためには、現場の理解と経営層のリーダーシップ、そして時には外部パートナーの支援が不可欠です。ぜひ今回ご紹介したステップやポイントをもとに、自社に合ったDXの第一歩を踏み出してください。

DXの第一歩は、「ひとりで悩まない」ことから。
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