SNS運用で「ブランドを育てる」時代へ|信頼とファンを生むブランディング戦略

SNSが日常の情報接点となった今、ブランディングの主戦場はSNSへと移行しています。「フォロワーを増やしたい」「投稿を見てもらいたい」だけでは、もはや成果は得られません。本当に重要なのは、SNSを通じて“どんな印象を持たれたいか”を設計し、それを一貫して伝えることです。
この記事では、「SNS運用を通じてブランド価値を高める方法」を、初心者にもわかりやすく解説します。実際の事例や運用のステップを交えながら、どのようにファンを増やし、企業イメージを確立していくかを学んでいきましょう。
この記事の監修
中小企業診断士 関野 靖也
大学卒業後、大手IT企業にて、システムエンジニアとして勤務。株式会社ウブントゥ創業後は補助金申請支援実績300件以上、経営力向上計画や事業継続力向上計画など様々な公的支援施策の活用支援。
中小企業庁 認定経営革新等支援機関
中小企業庁 情報処理支援機関
中小企業庁 M&A支援機関
一般社団法人 東京都中小企業診断士協会
経済産業大臣登録 中小企業診断士
目次
第1章:SNS時代のブランディングとは何か
1-1. SNSがブランドの第一印象を決める時代に
かつてブランドといえば、テレビCMや店舗の雰囲気、パンフレットなど「企業が一方的に発信するもの」でした。
しかし今は、SNS上の投稿やコメントが“企業の顔”そのものになっています。ユーザーは企業の公式サイトよりも、InstagramやX(旧Twitter)、TikTokなどのSNSでその企業の印象を判断します。つまり、ランディングとは「企業がどう見られたいか」を設計することだけでなく、「SNSでどう見られているか」をコントロールする取り組みへと進化しているのです。
SNSでは、ユーザーが企業をタグ付けしたり、口コミを投稿することで“共創的ブランディング”が起こります。一方的な広告ではなく、共感やストーリーによってブランドが育っていく――それがSNS時代のブランディングの特徴です。
1-2. ブランドの本質は「選ばれる理由」をつくること
SNS運用におけるブランディングの目的は、単に「目立つ」ことではありません。
フォロワーが多くても、発信内容が企業理念や提供価値と一致していなければ、ブランドとしての信頼は築けません。本当のブランディングとは、「この企業だから頼みたい」「このブランドの考え方が好き」と思ってもらえるような“選ばれる理由”を育てることです。
SNSはその“選ばれる理由”を日常的に発信し、顧客との接点を持ち続けるための最適なツールです。投稿を通じて企業の姿勢や価値観を繰り返し伝えることで、ユーザーの中に“ブランド体験”が蓄積されていきます。
たとえば、飲食店であれば「食材のこだわり」や「地域との関係性」、美容サロンなら「お客様一人ひとりに合わせた提案」など、日常の投稿の積み重ねこそがブランド形成に直結します。
1-3. SNSブランディングが企業成長を左右する理由
今、消費者は情報を“自分で選ぶ時代”にいます。従来の広告のように企業発信をそのまま受け入れるのではなく、SNS上で口コミを比較し、投稿内容を見て購入を判断します。
このとき、発信内容に一貫性があり、信頼できるトーンで発信している企業は「誠実なブランド」として認識されます。
SNS上の印象は、採用活動や営業成約率にも影響を及ぼすことがわかっています。求職者が応募前に企業のSNSを確認するのは今や当たり前。発信内容が雑多で統一感がなければ、「価値観が合わない会社」と判断され、優秀な人材に選ばれないこともあります。
つまりSNSブランディングは、顧客だけでなく従業員や取引先にも影響する“経営資産”なのです。
1-4. SNSブランディングで重要なのは「世界観の一貫性」
多くの企業がSNSを活用していますが、上手くブランディングできている企業は決して多くありません。その理由の一つが、「一貫した世界観の欠如」です。
デザイン・言葉遣い・写真のトーンなどが投稿ごとにバラバラだと、ユーザーはどんな価値観の企業なのか判断できず、印象が薄れてしまいます。逆に、トーンやテーマを統一して発信することで、「この企業らしさ」が形成され、自然とファンが増えていきます。
たとえば「シンプルで上質」を掲げるブランドなら、色味を落ち着いたトーンで統一し、短い言葉で端的にメッセージを伝えるなど、投稿全体で世界観を演出することが鍵です。
1-5. SNSブランディングは“資産”であり“信用”
SNSに投稿したコンテンツは、時間が経っても検索され、発見され続けます。つまり、地道に積み重ねた発信が企業の「信頼のアーカイブ」となるのです。SNSブランディングを継続する企業ほど、広告費をかけずに認知を拡大し、長期的な顧客との関係を築くことができます。
逆に、短期的なキャンペーン投稿や、発信内容がその場限りだと、ブランドとしての信頼性は育ちません。SNSブランディングとは、時間をかけて“信頼”を積み上げる経営活動そのものなのです。
第2章:企業がSNS運用でブランディングを行う目的
2-1. 「認知」から「信頼」へ──SNSが担うブランド形成の役割
企業がSNSを活用する最大の目的は、単なる「露出」ではなく「信頼の獲得」です。現代の消費者は広告よりも、SNS上での発信や口コミを通じて企業を判断します。つまり、SNSは企業の広告媒体ではなく、ブランドの“人格”を社会に示す場となっているのです。
たとえば、同じ商品を販売していても、SNSで一貫して誠実な情報発信を行っている企業と、発信が断続的な企業では、信頼度に大きな差が生まれます。フォロワー数が多いほど売れるわけではなく、「この企業の言葉は信用できる」と思われるかどうかが成果を左右します。
SNSブランディングとは、「知ってもらう」段階を超え、「共感してもらう」「信じてもらう」ための継続的なコミュニケーション活動です。
2-2. SNS運用がブランドの「人間味」を伝える
人々は、無機質な企業よりも“人を感じるブランド”に惹かれます。SNSでは、製品やサービスの説明だけでなく、開発ストーリーや社員の想い、社会への貢献などを伝えることができます。そうした投稿は企業の「温度感」を生み、ユーザーの心に残るブランドイメージを形成します。
たとえば、あるコーヒーショップが「毎朝焙煎する豆の香りが街に広がる瞬間」を動画で発信すれば、それは単なる宣伝ではなく、ブランドの世界観そのものです。ユーザーはその雰囲気に共感し、店舗への来店やリピートにつながります。
このように、SNSは企業の人間味を伝え、ファンを生むための最強のメディアなのです。
2-3. 採用・営業・顧客関係──SNSブランディングが広がる影響範囲
SNS運用によるブランディング効果は、販売促進だけにとどまりません。採用活動やBtoB営業の場面でも、SNS上の印象が意思決定に直結します。
採用では、応募者の多くが企業のInstagramやXをチェックし、職場の雰囲気や価値観を判断します。もしそこにポジティブで誠実な発信が積み重なっていれば、「この会社で働いてみたい」という信頼を生むことができます。
また、取引先や顧客企業もSNSを通して相手の姿勢を見ています。企業の理念や社会的取り組み、社員の様子が発信されていれば、「安心して取引できる会社」として認識され、商談のスムーズ化やリピート率の向上にもつながるのです。
SNSブランディングは、単なる集客手段ではなく、企業の総合的な信用を高める「無形資産」と言えます。
2-4. 広告よりも「共感」が響く時代へ
近年、SNS広告の飽和によって、ユーザーは露骨な宣伝に敏感になっています。そのため、今の時代に求められているのは、広告的な表現ではなく「共感されるストーリー発信」です。
たとえば、環境配慮や地域社会への貢献など、企業の価値観や理念を日常の投稿で自然に伝えることで、ユーザーは“このブランドの姿勢が好き”と感じ、ファンとして定着していきます。SNS運用の目的を「短期的な反応獲得」から「長期的な信頼構築」へと転換することが、ブランドの競争力を大きく左右します。
つまり、SNS運用の本質は「売るための手段」ではなく、「信頼を積み上げるための対話」なのです。
2-5. 継続的なSNSブランディングがもたらす効果
継続的なSNS運用は、短期間では成果が見えにくいものの、時間の経過とともに確実に効果を発揮します。過去の投稿が“資産”として蓄積され、検索経由で新たな顧客や採用候補者が流入します。
さらに、コメントやシェアを通じて自然なクチコミが広がり、広告費をかけずに信頼が拡散していきます。
このように、SNS運用で形成されたブランド力は、価格競争に巻き込まれない強いポジションを企業にもたらします。「安いから買う」ではなく、「このブランドだから選ぶ」という状態を作れることこそ、SNSブランディングの最大の目的なのです。
第3章:成功するSNSブランディング戦略の立て方
3-1. 「誰に・何を・どう伝えるか」を明確にする
SNSブランディングで最初に行うべきは、「誰に・何を・どう伝えるか」を明確に定義することです。
多くの企業が失敗する原因は、この設計が曖昧なまま投稿を始めてしまうことにあります。まず「誰に」については、年齢・職業・ライフスタイルなどを具体的に想定します。
たとえば、「20代後半の女性/キャリア志向でSNS感度が高い」「中小企業の経営者/実務にも関わる意思決定者」など、実在する人物をイメージすることで発信内容がぶれなくなります。
次に「何を」伝えるか。ここでは商品やサービスの機能説明ではなく、「ブランドとしてどんな価値観を持っているか」を整理します。最後に「どう伝えるか」。写真のトーン、文章のリズム、語尾の柔らかさまで一貫性を持たせることで、SNS上にブランドの人格=トーン&マナーが生まれます。
3-2. ブランドの「核」を言語化する──ビジョンとストーリー
フォロワーが共感するのは、商品のスペックではなく「ブランドの物語」です。企業が何のために存在し、どんな未来を目指しているのかを明確に打ち出すことで、SNS発信のすべてに方向性が生まれます。
たとえば、アパレルブランドが「服を売る」ではなく「毎日を前向きにする装いを届ける」と掲げた場合、投稿内容のテーマが自然に定まります。日常の中でポジティブになれる瞬間、製造現場の職人の想い、顧客からの声――こうした要素を組み合わせると、単なる広告ではなく「共感を呼ぶストーリー発信」に変わります。
SNSブランディングでは、理念・想い・行動の一貫性が何よりも重要です。たとえ小さな企業でも、軸が明確であればファンは自然に増えていきます。
3-3. 投稿テーマを「3本の柱」で設計する
ブランディング目的のSNS運用では、投稿テーマをバラバラにせず、「3本の柱」で統一感を保ちましょう。
たとえば、
- ブランドの価値観・世界観を伝える投稿(理念・ビジョン)
- 製品やサービスの裏側を伝える投稿(ストーリー・工程紹介)
- 顧客や社員のリアルを伝える投稿(共感・信頼形成)
この3つを軸にローテーションしながら投稿を続けることで、フォロワーは企業の全体像を自然と理解できます。一方的な宣伝に偏らず、感情・事実・共感のバランスを意識することが鍵です。
3-4. 「投稿の質」を支えるのは一貫したデザインとトーン
SNSの世界では、数秒で印象が決まります。そのため、写真や色味、テキストのトーンが投稿ごとに異なると、ユーザーは「どんなブランドか分からない」と感じ、離脱してしまいます。
一方で、デザイン・フォント・フィルター・語彙などを統一すると、どんな投稿も「その企業らしく」見えるようになります。これがブランディングにおける“無言の信頼構築”です。
たとえば、ナチュラル系ブランドなら淡いトーンで統一し、言葉遣いも優しく。革新的なIT企業なら、シャープな構図と端的な文体でスピード感を演出する。こうした視覚と言葉の一貫性が、SNS上でのブランド世界観を支えます。
3-5. 成果を出すには「分析と改善」を止めないこと
SNSブランディングは感覚だけで続けてはいけません。エンゲージメント率、保存率、リーチ率などのデータをもとに、「どの投稿が共感を生んだか」を分析します。数値は冷たいように見えて、ユーザーの心の動きを映す鏡です。
たとえば、理念系の投稿が反応率を高めているなら、ブランドの世界観が正しく伝わっているサイン。逆に宣伝色の強い投稿でエンゲージメントが下がっているなら、フォロワーとの距離感を見直すべきです。
SNSブランディングの成功とは、「企業の理想」と「顧客の共感」が重なった状態を保ち続けること」。このバランスをデータで検証し続けることが、ブランドを長く育てる唯一の方法です。
第4章:SNS運用でブランド価値を高める実践ポイント
4-1. 日々の発信に“ブランドの一貫性”を持たせる
SNSは更新頻度よりも、「投稿の一貫性」こそがブランドの印象を左右します。毎日投稿していても、内容がその場しのぎではブランドの軸は育ちません。
逆に、週に数回でも明確なテーマに沿った投稿を継続すれば、「この企業らしい」という信頼感が形成されます。
たとえば、「誠実さ」「挑戦」「温もり」など、自社ブランドの価値観を3つ程度に絞り、それに沿った内容を選びましょう。
製品紹介も、その価値観を反映する形で伝えることが大切です。「最新技術を紹介」ではなく、「お客様の課題をどう解決したか」というストーリーを中心に据えると、発信の中に“思想”が生まれます。
4-2. 投稿設計は「ストーリー+ビジュアル+感情」の3要素で
ブランド価値を伝える投稿は、単なる情報発信ではなく「物語を届ける行為」です。
そのためには、次の3要素を意識すると効果的です。
- まず「ストーリー」。投稿の冒頭で状況や背景を簡潔に伝えることで、読者が感情移入しやすくなります。
- 次に「ビジュアル」。写真や動画の色味、構図、余白の取り方などでブランドの世界観を表現します。明るい色味なら親しみを、落ち着いたトーンなら信頼を演出できるように、感情を視覚的に設計します。
- そして「感情」。伝えたいのは情報ではなく、企業の“想い”です。
社員の姿や顧客の声など、感情に触れる要素を加えることで、ユーザーとの心理的距離が縮まります。
4-3. ハッシュタグとコピーで“検索されるブランド”を目指す
SNSブランディングは“見つけてもらう仕組み”を持つことで、はじめて持続的に成長します。
その中心になるのがハッシュタグとコピー(投稿文)です。ハッシュタグは、業界ワード(#SNS運用 #企業ブランディング)と、オリジナルタグ(#○○の想い #○○の舞台裏)を組み合わせるのが効果的です。
特に後者のオリジナルタグは、ブランドコミュニティの形成につながります。フォロワーがそのタグを使って投稿することで、企業の理念がユーザーの中で「共通言語」として広がるのです。
また、投稿文はSEOの考え方と同様に、「最初の2行」で読む理由を明示することが重要です。“この投稿はあなたに関係がある”と伝える導入が、読み進めてもらう鍵になります。
4-4. フォロワーを「観客」ではなく「共創者」として扱う
SNSブランディングの真価は、ユーザーを巻き込むことで生まれます。一方的な発信ではなく、コメントへの返信や投稿の引用、ストーリーでの紹介など、双方向のコミュニケーションを意識しましょう。
特に有効なのが、「顧客の声」や「ユーザー投稿のリポスト」です。自社発信では届かない“第三者の信頼”を得られ、ブランドの信頼性が飛躍的に向上します。
また、ユーザーとの会話の中で新たなアイデアや改善点が見つかることも多く、SNSは“市場調査の現場”としても機能します。企業が発信し、顧客が反応し、そこからブランドが成長していく――この循環が確立されれば、SNSは単なる広報ツールではなく、「共創の場」になります。
4-5. 継続の鍵は“チーム体制”と“ガイドライン”
SNSブランディングを継続させるためには、担当者の感覚任せにしない運用体制が必要です。投稿頻度やテーマ、トーン&マナーを明文化したブランドガイドラインを作成し、誰が担当しても一貫した印象を保てる仕組みを整えましょう。
また、チーム内でのチェック体制も欠かせません。内容・デザイン・言葉遣いを複数人で確認することで、誤解や炎上リスクを防ぎつつ、ブランド品質を高めることができます。ガイドラインとレビューを軸にした運用体制が、「信頼を積み上げるSNS運用」を支えます。
第5章:よくある失敗と回避策
5-1. 「目的不在」のSNS運用はブランドを弱める
多くの企業がSNS運用で最初につまずくのが、「なぜ発信するのか」が不明確なまま始めてしまうことです。フォロワーを増やすことが目的になり、投稿内容が“数字のための投稿”に偏ってしまう。結果として、ブランドの方向性が見えなくなり、ファンが離れていくという悪循環に陥ります。
たとえば、短期間でフォロワーを増やすために流行に乗った投稿を繰り返すと、一時的な反応は得られても、「この企業は何を大切にしているのか」が伝わらなくなります。SNSブランディングで最も重要なのは、「ブランドの目的=何を信じ、何を伝えたいか」を一貫して発信し続けることです。
目的を明確に持つことが、すべての判断軸になります。
5-2. 投稿に一貫性がないと信頼が生まれない
デザインや言葉遣い、発信トーンが投稿ごとにバラバラだと、ユーザーは混乱し、ブランドイメージが定着しません。「投稿の中でキャラクターが変わる企業」は、リアルの世界で言えば「発言がコロコロ変わる人」と同じです。その場限りの印象では、信頼関係は築けません。
この課題を防ぐためには、ブランドのトーン&マナーを文書化し、全員が共有することが欠かせません。使用する色・フォント・口調・ハッシュタグ・絵文字の使い方などをルール化しておくと、担当者が変わっても世界観が崩れません。
SNSは“感覚的に投稿できる”ツールだからこそ、一貫性をシステムで支えることが重要です。
5-3. 宣伝一辺倒の投稿は“逆効果”になる
SNS上では、宣伝色が強すぎる投稿はユーザーに敬遠されがちです。企業が発信したい情報と、ユーザーが知りたい情報は必ずしも一致しません。「販売情報ばかり」ではフォロワーが疲弊し、最終的にエンゲージメントが下がります。
回避策はシンプルです。商品の裏にあるストーリーを語ること。なぜその商品を作ったのか、どんな課題を解決したいのか――その背景に共感が生まれれば、販売投稿も自然と受け入れられます。\「商品を売る」のではなく「価値を伝える」発信こそが、ブランドの信頼を積み上げます。
5-4. 継続できない原因は“運用設計の欠如”
SNS運用が続かない理由の多くは、「誰が・いつ・何を投稿するか」が曖昧だからです。
特に中小企業では、担当者が本業と兼務しており、更新が後回しになるケースが目立ちます。これを防ぐには、スケジュールと仕組み化が不可欠です。週ごとのテーマ設定・投稿カレンダー・テンプレート化を行うことで、継続の負担が軽減されます。
さらに、分析レポートを月次で振り返り、改善ポイントを共有すれば、チーム全体で“成果を感じながら進める”文化が育ちます。SNSブランディングは短期勝負ではありません。半年〜1年単位で「どんなブランド印象を築くか」を計画し、継続=信頼の積み重ねとして捉えることが成功への近道です。
5-5. 炎上・誤解を防ぐための危機管理もブランド戦略の一部
SNS運用では、意図せぬコメントや炎上のリスクも常に存在します。しかし、リスクを恐れて発信を控えるのではなく、「万一の時にどう対応するか」を事前に決めておくことが大切です。
たとえば、
・ネガティブコメントへの返信方針(削除・謝罪・放置)
・誤情報拡散時の対応フロー(上長報告→公式発信)
・プライバシー配慮・著作権確認のルール化
これらをマニュアル化することで、トラブル発生時も迅速で誠実な対応が可能になります。SNSブランディングの本質は、トラブルを避けることではなく、誠実な対応によって信頼を強化することにあります。
第6章:SNS運用をブランディングに繋げるプロのサポート活用法
6-1. 外部の視点がブランドの“軸のズレ”を見つける
SNS運用を続けていると、どうしても“内側から見た自社像”に偏りがちです。企業の立場では自然な表現でも、ユーザーから見ると難しく感じられたり、印象が異なったりすることがあります。
こうした「認識のズレ」を早期に修正できるのが、第三者による客観的な視点です。専門家やコンサルタントに定期的なアドバイスを受けることで、ブランドの発信軸がずれていないかを確認でき、SNS発信の方向性を整えることができます。
特に、複数の担当者で運用している場合には、外部の中立的な意見が「トーン&マナーの統一」に役立ちます。
6-2. 専門知識を活用して“時間と精度”を両立させる
SNSブランディングの難しさは、戦略設計から投稿制作、効果測定までを一人で行わなければならない点にあります。社内担当者が日常業務と兼務していると、戦略の見直しやデータ分析にまで手が回らないことも多いでしょう。その際に有効なのが、部分的なサポートの導入です。
たとえば、投稿デザインだけを外注し、発信内容は社内でコントロールする形なら、ブランドの統一感を保ちながら時間を節約できます。また、運用データの分析だけを専門家に依頼し、改善点を定期的に確認する方法もあります。
すべてを丸投げするのではなく、「専門家の知見を自社の継続力に変える」使い方が理想的です。
6-3. 成果を可視化して、戦略をアップデートする
SNS運用を効果的に続けるには、数値の分析だけでなく、ブランドとしての成果を定性的にも評価する視点が必要です。
単に「フォロワーが増えた」「いいねが多い」といった表面的な指標だけでなく、
・ブランドイメージがどう変化したか
・顧客や応募者の反応にどんな変化があったか
・投稿を通じて信頼や共感がどのように醸成されたか
といった質的な成果を記録していくことで、SNSブランディングの本当の価値が見えてきます。外部のサポートを受ける際には、このような「成果の見える化」を一緒に行うことが重要です。
データを分析しながら方向性を微調整することで、SNS運用が単なる日課ではなく、戦略的な経営活動として機能します。
6-4. 自社の“らしさ”を守りながら進化させる
SNSブランディングの最終的な目的は、外部の助けを借りて終わることではなく、自社自身が発信力を高めていくことにあります。専門家の提案を取り入れる中でも、「自社の価値観」や「ブランドの声」を軸に判断する姿勢を忘れてはいけません。
特に中小企業では、経営者やスタッフの日常、地元との関わりなどがブランドの魅力そのものです。こうした“人の温度”を活かしながら、専門的な知見で発信を磨いていくことが、信頼と共感を両立するSNSブランディングにつながります。
6-5. SNSブランディングは“伴走型”で続ける時代へ
かつてはSNS運用代行を「外注」と捉える企業が多くありました。
しかし今は、外部の専門家と企業が協働し、データ・表現・理念を共有しながら進める「伴走型支援」が主流になりつつあります。これは、企業の内部文化を尊重しながら専門的なノウハウを取り入れられるため、長期的にブランドを育てるうえで非常に有効です。
SNSブランディングの本質は、“継続する力”です。限られたリソースを補いながら、チーム全体でブランド価値を磨き続ける仕組みを作ることが、これからの時代における最も現実的な成功の形といえるでしょう。

🌿まとめと次の一歩
SNSで認知を広げたいけれど、どんな発信がブランドづくりにつながるのか分からない——そんな不安を感じる方にこそ、負担を抑えながら成果を高める“戦略型SNSサポート”が役立ちます。
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